誰かのことを助けるためには、まず助ける側に余裕が必要だ。自分の生活がきちんと出来てこそ、人を助けることができる。

誰かのことを助けようと思ったら、まずは自分がきちんと(それなりの余裕を持って)生活出来ていることが必要になります。そもそも自分の生活が立ち行かない状況だったり、かろうじて生活を維持できている状態でも余裕がなければ、自分の持てるリソースを他人に振り向けるには無理があります。

自分を犠牲にして人を助けることは持続不可能だ。自分を犠牲にしない範囲での人助けならば長続きしやすい。

  • 自分に余裕が無いのに「他人を助けろ」と言われてもそれは無理だ。他人を助けるためには、まず自分に余裕がなければならない。経済的な余裕も必要だし、時間的な余裕も必要だ。人助けは自分の生活を損なわない範囲でのみ成り立つ。
  • こんなことを書くと私が血も涙もない人間だと思う方もいるかもしれないが、自己犠牲による人助けは持続不可能である。ナイチンゲールも「構成員の自己犠牲のみに頼る援助活動は決して長続きしない」と考えていたそうだ。自分が食べるご飯もない状態で他人にご飯を分け与えることなどできるわけがない。自分が食べるご飯がきちんとあってこそ、他人にご飯を分け与えることができる。

自己犠牲による他人への援助は美しいかもしれないが、それでは自分の生活が破綻してしまう。正常な人助けは自分の生活が損なわれない範囲でのみ成立する。

例えば、道端で誰かが道に迷っているとしましょう。時間に余裕がある心優しい(そして道案内ができる)人であれば、おそらく道に迷っている人にはきちんと行きたいところへの道順を教えることでしょう。しかし、いくら道案内ができる人でも、時間の余裕が無い(例:電車に乗り遅れないために駅まで全力疾走中、などの)場合は、迷っている人を放置して駅まで急いで走っていくことになります。道案内をしていたら電車に乗り遅れてしまいますから。

ここで自分を犠牲にしてでも人助けをしようと思う人であれば、電車に乗り遅れてでも道案内をしたかもしれません。しかし、そんなことをすれば電車に乗り遅れるのは確実ですし、これが通勤通学途中の出来事であれば、会社や学校に遅刻してしまうことになります。仏の顔も三度までとはよく言ったものですが、遅刻も度重なれば本人の信用や給料、成績などが犠牲になるかもしれません。これが生活の破綻を招く原因になる可能性も否定することは出来ません。自己犠牲によって人助けをすることは、人助けをする側の生活が破綻するリスクが有るのです。持続可能な人助けの形態とはいえません。

よって、正常な(持続可能な)人助けは、人助けをする側の生活が損なわれない範囲でのみ成り立ちます。人助けをする側には、人助けを出来るだけの余裕が必要なのです。あるいは、人助けを仕事として、何らかの対価(給料)を貰って他人を助けるという手もあります。例えば医師や救急隊員はまさに人を助ける仕事ですが、彼らはきちんと給料を貰っているはずです。

看護師や統計学者、看護教育学者として有名なフローレンス・ナイチンゲールも、「構成員の自己犠牲のみに頼る援助活動は決して長続きしない」と考えていたそうです。自分の生活が成り立っているからこそ、他人に目を向けることができるのです。

…ナイチンゲールが赤十字の創始者であると思っている人もいるが、むしろ統計学者や看護教育学者で有名である。赤十字活動には関わっておらず、ボランティアによる救護団体の常時組織の設立には真っ向から反対していた。これは「構成員の自己犠牲のみに頼る援助活動は決して長続きしない」と思っていたからである。赤十字が隔年で贈っているナイチンゲール記念章は、アンリ・デュナンがナイチンゲールの活動を高く評価していたため、赤十字国際委員会がデュナンとナイチンゲールが共に死去した翌年の1912年に、「傷病者や障害者または紛争や災害の犠牲者に対して、偉大な勇気をもって献身的な活躍をした者や、公衆衛生や看護教育の分野で顕著な活動あるいは創造的・先駆的貢献を果たした看護師」を顕彰するために制定したもので、日赤熊本県支部からは過去2名の方が授章している。(支部 梶山哲男)

「日赤発祥の地・熊本」<連載5>(平成22年9月号) | 日本赤十字社 熊本県支部

自分が食べるご飯もない状態では、お腹をすかせた他人にご飯を分け与えることなどできる訳がありません。そもそもご飯がありませんから。一人分の(自分の)ご飯がある状態でも、やはりお腹をすかせた他人にご飯を分け与えることは出来ないでしょう。自分が食べるご飯がなくなれば、そのうちに自分が餓死してしまいます。他人に分け与えても大丈夫な量のご飯が用意出来て、初めて他人にご飯を分け与えることができるのです。人助けをするには、まず助ける側にそれなりの余裕が必要なのです。

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