誰だってできないことはある。一人の完璧超人を求めるよりも、自分ができないことはできる他人に任せられるようなシステムが欲しい。その意味でも現行の部活動システムはおかしいと思う。

この記事をお読みになっている皆様の中には、何でもかんでもできる完璧超人に憧れている方もいるかもしれません。しかし現実には、何でもかんでもできる完璧超人というのはなかなかいません。誰だって何かしらの欠点を抱えていると思います。それは教師も同じです(教師が完璧超人なら中学高校でも一人の学級担任が全教科を教えているはず)。

自分ができない・知らないことを他人に教えろというのは無茶振り。現行の部活動システムは矛盾だらけ。

  • 部活動は生徒が「自主的に」参加するのが建前だし、教師も「自主的に」面倒を見るのが建前。どっちも建前が守られていないから問題発生。教師は自分が教えられない種目を教えなければならない状況に追い込まれることも(部活顧問の割り振りでそうなってしまう)。これは生徒にとっても教師にとっても不幸。
  • できないことはそれなりの対価を払ってできる人にお任せしてしまうべき。これが分業というものだし、そのほうがお任せする方もされる方も幸せになれる。部活動もきちんと指導できる人を外部から呼び寄せるべき(それなりの対価を払って)。

経験も関心も知識もないことを他人に教えろと言われても無理。現行の部活動システムは生徒と教員の双方を不幸にしてしまう。

部活問題がネット上で話題になり始めてからどれほどの時間が経ったでしょうか。部活問題 対策プロジェクトが立ち上がり、キャンペーン ・ 生徒に部活に入部する・入部しないの自由を!入部の強制に断固反対! ・ Change.orgでは署名活動が行われています。私も本ブログやTwitterで情報発信したり、部活問題のニコ百単語記事を作成したりしています。そして、新年度に突入して早々素人の部活顧問 先生の嘆き 強制的に顧問担当、種目は選べずの記事が出てきました。

部活は顧問教師が(無賃労働で)面倒を見ていることがよくありますが、その実態は「自分がやったこともなければ知識も関心もないスポーツや芸術活動などを生徒に教えなければならない」というものだったりするようです。教師をなんだと思っているのでしょうか。教師とて人間ですから、できないことだってあります。知らないものは教えられません。それなのに教師自身が知らないことを他人に教えなければならない状況に追い込まれるのが現行の部活動システムです。

教師は本来、授業をすることが仕事であるはずです。本職たる教科指導についてはきちんと学んでいるはずですし、教員免許も取得しています。しかし、「教師が自主的に面倒を見るもの」という建前の部活動については、経験も知識も関心もない種目(自分が教えられない種目)でもなんでも容赦なく顧問の仕事を割り振られてしまいます。生徒の側から見ても、これでは部活動できちんとした指導を受けることができません。ことごとく全員が不幸になっています。

部活動システムは見直しが必要。現行システムの廃止も選択肢となる。部活動改革の先送り・部活動システムの現状維持はもはや許されていない。

部活動改革が必要なのはもはや言うまでもありません。学校側による部活動加入強制システムや教師の無賃(or最低賃金以下の)労働や無休状態の解消・労基法違反な労働環境の改善が必要なのは当然ですが、部活動をやるならやるできちんとその種目を教えられる人が面倒を見るようにするシステムも必要不可欠です。できないことを無理にやるよりも、できる人にそれなりの対価を払ってお任せしてしまうほうが、幸せになれる人が増えます。部活動でも学校外から指導員を呼び寄せてその人が全般的に面倒を見るようにした方がいいのかもしれません。…が、部活問題は様々な問題が複雑に絡み合いすぎていて、外部指導員の採用だけでは部活問題の完全解決には程遠いのもまた事実。

部活問題を完全解決するためには、いっそのこと現行の部活動システムを廃止することも視野に解決策を考えなければならないかもしれません。現行システムを完全廃止するとなると抵抗する人が出てくるのは避けられませんが、部活問題の解決を先送りにすることはできません。部活動システムの現状維持は不可能です。部活動を維持するにしても、生徒の「部活動に参加しない自由」を完全に保障し、労働基準法を遵守した形で、専門知識をきちんと備えた指導者が教える形になるべきだと思います。

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