平成28年度全国体力・運動能力等調査の結果から部活問題を読み解く(ただひたすらグラフを掲載するページ)

このページは、平成28年度全国体力・運動能力等調査の結果をグラフ化していくページです。

もくじ

  • 都道府県別の全員顧問制を敷く中学校の割合
  • 学校の規則で週休1日以上を保障していない(土日に休養日を設定していない)中学校の割合
  • 運動部・スポーツクラブ非加入者が運動部に参加しようと思う条件

都道府県別の全員顧問制を敷く中学校の割合


上のグラフが、都道府県別の全員顧問制(その学校のすべての教員に何らかの部活動の顧問をさせる体制)を敷く中学校の割合のデータです。奈良県はまさかの100%であり、データ上一番マシなことになっている愛知県でさえ3分の2の中学校では全員顧問制が敷かれています。最も、「1人でも顧問をしていない先生がいれば『全員顧問』ではなくなる」のですが。

一応算定基準(計算式)と参考資料も示しておきましょう。参考資料は平成28年度全国体力・運動能力、運動習慣等調査 集計結果(学校の回答・PDF)です。この資料の30ページ目にある「部活動の顧問の配置」という項目で、各都道府県ごとに、
(「全員が当たることを原則としている」と回答した学校数)÷(この質問に回答した学校数の合計)=(全員顧問制を敷いている割合)
という式で計算し、グラフ化しています。

学校の規則で週休1日以上を保障していない(土日に休養日を設定していない)中学校の割合


こちらは休養日を設定していない学校の割合のグラフです。学校全体のルールとして、土日の休養日が

  • 月3回以下しか無い(労働基準法違反レベル)
  • 1回も設定していない(臨時の休み以外はガチで無休)
…ような学校の割合をグラフ化しました。なお、このグラフに反映されているのはあくまでも「学校全体での」休養日の設定率です。各部活ごとに独自に設定している休養日は計算に入っていません。また、形式上は「休養日」としていても、実際には「自主練」などの名目で部活をやっている可能性も無きにしもあらずですが、それについてもこのグラフには反映されません。

参考資料は平成28年度全国体力・運動能力、運動習慣等調査 集計結果(学校の回答・PDF)です。この資料の26ページから、

  • 「土日の休養日が月3回以下」については {(「学校の決まりとしての部活動の休養日設定」に回答した学校数)-(「土日の休養日設定」で「月4回以上」と回答した学校数)}÷(「学校の決まりとしての部活動の休養日設定」に回答した学校数)=(土日の休養日が月3回以下の学校の割合)
  • 「土日の休養日が設定されていない」については (「土日の休養日設定」で「設けていない」と回答した学校数)÷(「学校の決まりとしての部活動の休養日設定」に回答した学校数)=(土日の休養日が設定されていない学校の割合)
の式で算出しグラフ化しました。なお、部活動の活動時間については、部活の過熱 都道府県の実態 明らかに(内田良) – 個人 – Yahoo!ニュースを参照してください。

運動部・スポーツクラブ非加入者が運動部に参加しようと思う条件

以下のグラフは平成28年度全国体力・運動能力、運動習慣等調査 集計結果(生徒の回答・PDF)より作成しています。いずれもPDF資料の20ページ目をグラフ化しています。

中学生男子


これは運動部・スポーツクラブ非加入者が運動部に参加しようと思う条件についてのグラフです。複数回答なので合計は100%にはなりません。また、本来はもっとたくさん項目がありますが、このグラフを作成するにあたって私が不要だと判断したデータはバッサリ切り捨てています。

上のグラフから分かるように、自分のペースで行うことが出来たり、練習日数や時間が程々にセーブされていたり…要するに「健康のためにも少し運動しようかな…」程度の、ほどほどに運動したいニーズに対応できる部があればそこに入ろうと思う人はいる、ということです(これは現在の「土日も捧げて勝利を目指せ」という過激な運動部が敬遠されているということでもあります)。また、「1つの種目にこだわらず、いろいろな種目をやりたい」という人の存在も忘れてはなりません。

中学生女子


女子の場合も、「ほどほどに運動したい」というニーズがある程度存在するようです。現在の「土日も捧げて勝利を目指せ」という過激な運動部は敬遠されています(休日が無くなるのですから敬遠されるのが当然だと思います)。「勝つため」ではなく、「健康のため」に運動したい(活動時間・日数はほどほどにしたい)人に対応できる運動部が求められているのかもしれません…。

注意事項

最も、これ以上部活を増やすべきか、という話になると、また答えは変わってきます。現行のシステムでは教員が勤務時間外に部活を見ても残業手当が貰えるわけでもなければ代休を貰えるわけでもありません。ただでさえ部活動によって本来の業務をする時間が食われているのですから、部活動を今以上に拡張することは許されません。むしろ縮小・廃止の方向に持っていかなければならないのです。

よって、健康のために運動したいというニーズに対応するために「軽運動部」(仮称)を新設することは難しいのではないかと思われます。既存の重運動部(放課後や土日を犠牲にしすぎるほど激しく活動している運動部の総称)の活動時間を大幅縮減して勝利至上主義を追い出し、各種規制を緩めて休みを充実させた上で「軽運動部」に衣替えするならまだしも、新しい部を設けて教員の負担が一層増すような事態は避けねばなりません。無論のこと、学校から部活動強制加入システムを撲滅することは大前提です。

将来的には、現行の部活動を縮小廃止し、生徒の放課後の活動の場は地域の同好会やクラブチームなどに移行するべきです。生徒を学校という監獄に閉じ込めず、広い世界で泳がせることも必要です。いきなり部活動を廃止することは無理でも、最低限

  • 教員の無賃労働の解消・休日の確保
  • 生徒に対する部活動の加入強制の完全廃止・休日の確保
は直ちに行われ、達成される必要があります。

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