何かを良くしたいならば、やることを増やすだけではいけない。時にはやることを減らさなければならないこともある。

例えば、常駐ソフトがてんこ盛りのPCの動作を改善しようと思ったら、常駐ソフトを減らせばいいだけの話です。常駐ソフトが減少すれば無駄に食いつぶされるリソースが減るので、リソースの余裕ができて軽くなります。現実世界においても、何かを改善する際に「やることを減らす」ことが有効な場合は必ずあると考えます。

なんの支援も対策もなしにやることが増えたら人間が疲弊してしまう。やることを減らして余裕を作ったほうが良い結果が出る場合もあるはずだ。

  • やることを増やすのであれば、その分人員などのリソースも増やす必要がある。それが出来なければ一人あたりの負荷が増加し、人間が疲弊してしまう。慢性的に無理を続けている状態では、ベストパフォーマンスなどできるわけがない。
  • 時にはやることを減らし、余裕を確保する方向にシフトしたほうが良い結果を残せることだってある。自動車を運転する時だって同じ人が休憩無しで連続12時間運転するよりも、きちんと休憩を挟むなり何人かで交代して運転するようにしたほうが安全なのはお分かり頂けるだろう。
  • 時間外労働が常態化している会社や無休での部活動が常態化している学校はまさに慢性的に無理を続けている状態。やることを減らすか、リソースを増やすかして余裕を確保しなければ、そのうちにみんなが過労死したり病気になったりするかもしれない。

やることが増えたらその分だけ人間の負担が増えるのは自明。やる気と根性だけではどうにもならない。きちんと休みを取らなければ、人間は壊れる。

やることが増えれば、その分負担が増えます。当たり前のことです。だだっ広い豪邸の隅から隅まで掃除する手間は、ワンルームアパートの一部屋を掃除する手間よりも確実に大きいはずです。単純に部屋数が増えますし、廊下やトイレなども増えているはずですから、全体を掃除するともなれば相当な仕事量になります。

そして、やることが増えたときに必要なリソースが追加供給されるかされないかが非常に大きな問題になります。豪邸の例で言えば、掃除担当の人を沢山雇うことができれば、一人あたりの掃除の手間はそこまで無茶苦茶なものにはなりません。しかし、大豪邸を一人で隅から隅まで掃除しろということになってしまえば、掃除担当の人は過労死するか逃亡を図るかです。やる気と根性だけでは掃除はできません。これは掃除以外のことでも当てはまるはずです。やる気と根性だけで家計の赤字をなくせるというのであれば、国会議員や官僚などの皆さんがやる気と根性を出せば国家財政からは赤字が一掃され、政府債務も一夜にして片付くことでしょう。しかしやる気と根性では赤字解消は出来ません。支出を減らし、収入を増やすことでしか赤字を解消することは出来ません(国家がそれをやると別の問題が発生したりもしますが)。

労働にしたって、やる気と根性だけではたくさんの仕事を片付けることは出来ません。たくさんの仕事を片付けるためには、たくさんの人員を投下するか、たくさんの日数をかけるか、もしくは仕事を効率化して単位時間あたりにこなせる仕事の量を増やす必要があるでしょう(これらの解決策が当てはまらない場合もないわけではないので注意)。それが出来ない場合は、仕事の量を減らさなければなりません。さもなくば時間外労働上等のデスマーチが始まり、労働者がバタバタ倒れます。やる気と根性だけでは過労死は防げません。むしろ、やる気と根性で何とかすることを要求するから過労死が発生するのではないでしょうか。無茶苦茶な精神論根性論で人に無茶をさせる悪習は直ちに消え失せるべきです。

やることを減らして負担を減らせば、その分だけ余裕が生まれる。ベストパフォーマンスのためには、それなりの余裕が必要だろう。

慢性的に無理をし続けているままでは、いつか必ずそのツケを払うことになります。人間なら病気になったり過労死したりしますし、機械でも無理させて故障することはあります。そうなってしまっては、病気の治療費や過労死についての損害賠償や慰謝料、機械の場合も修理費が嵩んでろくな事になりません。人間にも機械にもそれなりの余裕をもたせ、休みをはさみながら健康に働き続けられるようにしたほうが、総合的には安上がりなはずです。

余裕を確保するためには、やることを減らして負担を減らすか、仕事をする人員や機械を増やす必要があります。時間外労働はあくまでも「本来は禁止されているものの、サブロク協定の締結で認められる『例外』」ですから、本来ならば時間外労働に頼らずとも仕事がきちんと出来るだけの人員を雇用する必要があると考えます。ともあれ、きちんと休みを取らなければ、待っているのは過労死です。過労死を防ぐためには、やることを減らして負担を軽減することが必要なときもあるはずです。

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