暗号化解除機能の搭載強制はある種のバックドア。プライバシー保護の観点から容認出来ない。

アメリカのニューヨーク州議会で、スマホの暗号化を法的機関の求めに応じて解除できるようにする機能の搭載を義務付ける法案が提出された模様。スマホの強固な暗号を緊急時に強制解読する機能が義務づけされる恐れ – GIGAZINEしかしこれは、ユーザーのプライバシーをないがしろにする悪法であると言わざるを得ません。

バックドア設置の強制はいくらなんでもアカンだろ

  • 暗号化解除機能を搭載するということは、バックドアを開け、ユーザーのプライバシーを侵害することになる。
  • 確かにテロ対策にはなるかもしれないが、暗号化解除機能を悪用してユーザーの端末から情報を抜き取ろうとする輩が現れ、別の犯罪の温床になる。
  • というかこの議論を包丁に例えると、「包丁で人殺せるから、包丁メーカーは包丁の切れ味を、人を切れないくらいに落としてから(でもそれだと包丁の意味がない)販売すること」みたいな感じ。いくらなんでも横暴すぎるだろう。

バックドアを設けて、国民のスマホを検閲するのか!?

この法案では、スマホメーカー(OSメーカー)は、法的機関の求めに応じて、スマホの暗号化を解除する仕組みを入れることを要求されています。違反したら端末1台につき2,500ドル(1ドル=120円として30万円。端末1万台で30億円)の罰金を科すとのこと。Apple社はこの法案にお怒りのようですが、それもまあ当然です。ユーザーのプライバシーを犠牲にせよと明言している法案ですから。ここで法案に賛成するのはプライバシーなどどうでもいいという、基本的人権がどうなっても構わないという思想の人くらいです。

また、これによって暗号化解除のバックドアが設けられると、クラッカーはこれを悪用して、ユーザーの個人情報を抜き取ってやろうと考えるのは目に見えています。それだけでも大問題ですが、これを国家が悪用すると、思想統制、言論統制の道具になりかねないと思うのです。暗号化をかけても国家の命令でスマホを検閲できるようになってしまいますから。スマホを検閲して、思想に問題があれば粛清。そんな事態になる可能性も、ゼロとは言い切れません。

どんな道具も使い方次第。暗号化技術だけこのような形で規制するのはおかしいぞ!!

少し考えればわかりますが、包丁は殺人の道具になります。自動車もです。包丁は直接的にターゲットを刺せば人一人殺せますし、自動車は事故を起こせば、特攻じみてくる面もありますが、一気に複数の人を殺すことができます。しかしだからといって、包丁や自動車の使用を禁止したり、殺傷能力を持たないようにスペック制限を課したりするようなことはしていません。包丁は様々な料理を作る道具となり、食生活を豊かで多様性に満ちたものにします。自動車は人間の脚力では決して到達し得ない快速と貨物運搬能力によって、我々の豊かな生活を支えています。トラックがなければ宅急便も動きません。これらの例からも分かる通り、道具は使い方次第なのです。

話を暗号化解除法案に戻しましょう。暗号化技術もまた、悪用すればテロの温床になるかもしれません。しかし、正しく使えば通信の秘密を守り、我々の身の安全を守ってくれる存在です。SSL/TLSが存在しなかったら、オンラインバンキングもネット通販も、口座番号や口座残高、クレジットカード番号も暗証番号も全部筒抜けになってしまいます。インターネットを安全に利用する上で、暗号化技術は欠かせないものなのです。

悪用すれば犯罪の温床になるが、正しく使えば生活を豊かにするという点において、スマホの暗号化と包丁・自動車は共通です。そして、スマホの暗号化解除機能搭載義務付け法案は、暗号化技術のみを危険視し、やりすぎな規制をかけて、人間生活を豊かにするどころか、逆に恐怖に晒すものなのです。ユーザーの秘密はキチンと守られなければなりません。法律によって暗号化を解除されるべきではありませんし、日本もそうならないように、きちんと政治を監視する必要があると思う今日このごろです。

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