「高等学校卒業程度認定試験」とはなんぞや?

「高等学校卒業程度認定試験(高卒認定試験、高認)」は、文部科学省が実施している試験です。合格者は「高校を卒業した人と同等の学力がある」とみなされ、大学や専門学校などの受験資格を得ることが出来ます。

もくじ

  • 「高等学校卒業程度認定試験」の受験資格
  • 「高等学校卒業程度認定試験」を受験するメリット
  • 受験科目と科目免除について
  • 受験するなら

「高等学校卒業程度認定試験」の受験資格

文部科学省のWEBサイトには、高等学校卒業程度認定試験の受験資格について以下のように記述されています。

受験しようとする試験の日が属する年度の終わり(平成28年度試験については、平成29年3月31日)までに満16歳以上になる人が受験できます。平成17年度から、全日制高等学校等に在籍されている方も受験が可能となりました。

※高等学校卒業者や大学入学資格検定・高等学校卒業程度認定試験合格者など、既に大学入学資格を持っている方は受験できません。なお、大学入学資格の詳細については、大学入学資格についてを御覧ください。

受験資格:文部科学省

受験する年度の終わりまでに満16歳以上になる人で、大学入学資格を持っていない(高校を卒業していない、高卒認定試験に合格していない、など)人なら誰でも受験できるようです。現役の高校生でも受験できます。

「高等学校卒業程度認定試験」を受験するメリット

高卒認定試験に無事合格できれば、「高校を卒業した人と同等の学力がある」とみなされます。また、

高卒認定試験で大学などの入試に出願する資格を得た後、大学や専門学校に進学して無事に卒業できれば、最終学歴は大卒や専門学校卒にできます。本人の努力次第で、高校に通わなくても大学や専門学校などへ進学できるわけです。2016年現在、高校に限らず日本の学校には「部活問題」などの様々な問題があります。「大学には行きたいけど地元には部活動への加入を義務付けるような高校しか無いし、かと言って部活漬けの毎日は送りたくねえ!」という方(に限らず何か事情がある方)は、通信制高校への入学や高卒認定試験の受験を検討する価値が有ると思います。なお、高卒認定試験は現役の高校生でも受験できるので、高校在学中の人が高卒認定試験を受験→合格→高校を退学して受験勉強→大学合格というルートもあることはあります。

受験科目と科目免除について

高卒認定試験に合格するためには、「国語」「地理歴史・公民」「数学」「理科」「外国語」の試験に合格する必要があります。なお、1回の受験で全科目合格できなくても大丈夫です。一度合格すれば、合格した科目は累積されます。なので、複数回受験することを前提に「1回の受験で1科目ずつ確実に攻略していき、合格を目指す」ことも可能です。

また、既に高校で単位を修得済みの科目や、英検などの検定試験に合格している科目については、申請すれば科目免除を受けることが出来ます。修得済みの単位や合格した検定試験などで全科目が免除される場合は、任意の(得意な)1科目だけ試験を受け、その他の科目で免除申請を行えばOKです(全科目で免除申請を行い、試験を受けずに合格することは出来ません)。

受験科目や出願日程、試験日などの情報は高等学校卒業程度認定試験(旧大学入学資格検定):文部科学省を御覧ください。以下、2016年7月地点での必要な受験科目と科目免除の要件のまとめです。

試験科目と出題範囲

教科 試験科目 要件 出題範囲
国語 国語 必修 「国語総合」の教科書より出題(古文・漢文を含む)
地理歴史 世界史A,世界史B どちらか必修 「世界史A」「世界史B」の教科書より出題
地理歴史 日本史A,日本史B,地理A,地理B いずれか1科目を必修 「日本史A」「日本史B」「地理A」「地理B」の教科書より出題
公民 現代社会,倫理と政治経済 現代社会1科目or倫理と政治・経済の2科目 どちらかを必修 「現代社会」「倫理」「政治・経済」の教科書より出題
数学 数学 必修 「数学I」の教科書より出題
理科 科学と人間生活,物理基礎,化学基礎,生物基礎,地学基礎 科学と人間生活+物理基礎,化学基礎,生物基礎,地学基礎から1科目(計2科目) or 物理基礎,化学基礎,生物基礎,地学基礎から3科目を必修 「科学と人間生活」「物理基礎」「化学基礎」「生物基礎」「地学基礎」の教科書より出題
外国語 英語 必修 「コミュニケーション英語I」の教科書より出題

科目免除

修得済みの単位を使って免除

平成24年(2012年)4月以降に入学した人の場合のみ掲載します。免除申請の際には、単位修得証明書が必要になりますので、在籍している(していた)学校で発行してもらいましょう。なお、単位修得証明書の様式は文部科学省指定のものを用いる必要があります。単位修得証明書・単位修得見込証明書様式:文部科学省も参照のこと。

受験科目 高校の科目 必要な単位数 備考
国語 国語総合 4
国語 国語表現I 2 (平成25年(2013年)3月までに入学した場合のみ・国語総合と国語表現Iのどちらか1科目で免除可能)
世界史A 世界史A 2
世界史B 世界史B 4
日本史A 日本史A 2
日本史B 日本史B 4
地理A 地理A 2
地理B 地理B 4
現代社会 現代社会 2
倫理 倫理 2
政治・経済 政治・経済 2
数学 数学I 3
科学と人間生活 科学と人間生活(理科総合) 2
物理基礎 物理基礎(物理I) 2
化学基礎 化学基礎(化学I) 2
生物基礎 生物基礎(生物I) 2
地学基礎 地学基礎(地学I) 2
英語 コミュニケーション英語I 3 平成25年(2013年)4月以降に入学した人のみ
英語 英語I 3 平成25年(2013年)3月までに入学した人のみ(英語Iとオーラル・コミュニケーションIのどちらか1科目で免除可能)
英語 オーラル・コミュニケーションI 2 平成25年(2013年)3月までに入学した人のみ(英語Iとオーラル・コミュニケーションIのどちらか1科目で免除可能)

合格済みの検定試験を使って免除

免除申請の際には、合格証明書が必要になるので準備しましょう。

受験科目 検定試験名 必要な級 実施団体
数学 実用数学技能検定 1級、準1級、2級 公益財団法人 日本数学検定協会
英語 実用英語技能検定(英検) 1級、準1級、2級、準2級 公益財団法人 日本英語検定協会
英語 英語検定試験 1級、2級 公益財団法人全国商業高等学校協会
英語 国際連合公用語英語検定試験 特A級、A級、B級、C級 公益財団法人日本国際連合協会
世界史B 歴史能力検定 世界史1級、世界史2級 歴史能力検定協会
日本史B 歴史能力検定 日本史1級、日本史2級 歴史能力検定協会

科目免除の要件に当てはまる場合は、積極的に科目免除の申請を行いましょう。受験科目がその分減るので、勉強する範囲も少なくなります。現役の高校生が受験する場合も、既に修得済みの単位は科目免除が可能になります。なお、単位修得証明書の様式は文部科学省指定のものを用いる必要があります。単位修得証明書・単位修得見込証明書様式:文部科学省も参照のこと。

受験するなら

受験する場合は、勉強と出願手続きを行う必要があります。試験日程・出願期間は高等学校卒業程度認定試験(旧大学入学資格検定):文部科学省に掲載されているので、そちらをご確認ください。うっかり出願手続きを忘れたりなどしないように注意しましょう。後は免除申請できる科目は免除申請を行い、残りの科目は合格を目指して勉強です。

高卒認定試験の受験科目は、ぶっちゃけ高校1年の段階で行う科目も多いです。国語総合・数学I・コミュニケーション英語Iは高校1年で履修する場合が多いですし、地歴公民科も1年のうちに履修する科目が何かしらあるはずです。ゼロから受験する場合は、「現代社会+世界史A+地理A」の組み合わせ(計6単位)が楽かもしれません(個人により異なる)。理科の場合も1年のうちに履修する科目があるはずです。こちらも科目免除無しで突破する場合は、「科学と人間生活+物・化・生・地基礎から自分が一番得意な1科目」の2科目が楽なのではないかと(個人による)。

文部科学省のWEBサイトにも高等学校卒業程度認定試験問題 過去実施問題があるので、ある程度勉強したら(あるいは全く勉強していない状態で)、自分がどれくらいの得点を取れるかを確かめてみるといいかもしれません。試験はマークシートです。高卒認定試験は大学入試のように他人を蹴落とすタイプの試験ではありません。合格者の定員はなく、基準点以上取れれば合格です。合格最低点は非公開ですが、6~7割取れれば十分受かるとされています。科目選択で自分が得意な組み合わせor学習の負担が少ない組み合わせをとり、きちんと勉強すれば多分なんとかなります。それでは、受験する皆様の健闘を祈ります。

…教材は自分にあったものを使うようにしましょう。

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