国会議員の「定数」削減は行わなくても良いかもしれないが、「報酬」の削減は行うべきかもしれない。

財政再建のために増税などの形で国民の負担を増加させるのならば、政治家自身も身を切る改革に協力することになるでしょう。その時には「議員定数削減」が話題になりますが、私としては「議員報酬削減」をまず先に行う必要があると考えます。

議員定数の削減は、国民が直接選出できる代表の数を削減することと同義。報酬のほうをカットすれば、直接選出できる代表の数は維持しながら歳出を削減できる。

  • 国会議員は、国民が直接選出する代表である。議員「定数」を削減してしまうと、代表の数が減ってしまい、少数意見がより軽視される恐れが出てきてしまう。1票の格差問題の解決も難しくなるだろう。よって、国会議員の頭数は減らすべきではない。
  • 頭数を減らす代わりに、一人あたりの「報酬」の方を削ればよい。国会議員は歳費(給料)以外にも様々な金が支給されるが、そちらも合わせてカットしたり、領収書の提出を義務付けたりすれば、結構な額を削れると思われる。あまりにも削り過ぎると優秀な人が来なくなる可能性があるのが難しいところだが、「国会議員も財政再建に協力しますよ」という姿勢を見せる必要はあると思う。

国会議員が身を切る姿勢を示す必要はあるかもしれないが、示し方が問題だ。定数削減では選出できる代表の数が減ってしまい、少数意見がより軽視される可能性がある。

国会議員の歳費(給料)のことも国会で審議し、法律として定められます。自分で自分の給料を決めることが出来るのですから、羨ましい限りです。さて、財政再建のために国民の負担を増やす政策(増税など)を国会で決定するとき、一部の人は「議員自身も身を切る改革に協力せよ」という声を上げます。2016年9月現在、日本の国会議員はかなりの高給取りなので、そのような声が上がってきても不思議ではありません。

さて、ここで問題になるのが、議員「定数」を削減するのか、議員「報酬」(歳費)を削減するのか、ということです(両方減らせという人もいるかもしれません)。議員定数を半分にしてしまえば、国会議員に支払われる各種手当や歳費は全部半分になります。効果がわかりやすく、インパクトもあるので、この案を支持する人は決して少なくはないと思われます。

しかし、議員定数を削減するということは、国民が直接選出して政治に影響を及ぼす代表を減らすということです。代表の数が減ってしまえば、小政党や無所属議員が当選できる確率が現在よりも更に落ち、少数意見が現在よりも更に軽視される可能性もあります。2016年の参議院選挙では、表現の自由を防衛することを掲げた山田太郎氏が比例区で立候補(氏は新党改革より出馬)し、個人名で29万票の大量得票(新党改革で最も多くの票を獲得し、民進党の比例区TOP当選者の個人名得票をも凌駕する)という快挙を成し遂げながらも落選してしまいましたが、議員定数削減と同時に比例区の廃止(削減)が行われてしまうと、本格的に少数意見が切り捨てられる恐れがあります(小選挙区では大政党が有利=小政党(少数意見)は不利な戦いを強いられる)。

いくら財政再建のためとはいえ、少数意見が国会での発言権さえ与えられずに切り捨てられることを是認することはできません。確かに多数決では少数意見が無視されがちですが、国会に議員を送り込み、発言することができれば、それだけでもある程度有意義だと考えられます。小政党(少数意見)が国会に一人でも議員を送り込むことができれば、他の人に「そういう意見もあるんだな」ということを知ってもらうチャンスが増えます。これは大変重要なことです。

議員歳費及び諸経費をカットすれば、代表の数は維持しながら歳出を削減できるし、「国会議員も財政再建に協力しますよ」という姿勢を示すことが出来る。

議員歳費及び諸経費(文書通信交通滞在費など)をカットすれば、国会議員一人あたりの費用が減るので、代表の数を維持しながら歳出を削減し、「国会議員も財政再建に協力しますよ」という姿勢を示すこともできます。「国会議員は高給取りだ」とよくいわれますが、国会議員には歳費(給料。1ヶ月につき129万4000円)の他にも、以下の様な諸経費が支給されます。

  • 文書通信交通滞在費(月100万円。領収書の提出義務なし)
  • 秘書雇用手当(秘書3人までの給料に出来る。年2500万円)
  • 期末手当(ボーナス。年635万円)
  • 立法事務費(各会派に支給。会派の議員1人あたり月65万円。領収書の提出義務なし)

月給130万円弱というだけでも羨ましい限りですが、領収書の提出義務がない経費もかなりの額です。わざわざ金額を削減しなくても、経費部分については領収書の提出を義務付け、領収書と引き換えに必要経費を支給するようにするだけでも結構な額を削減できるのではないかとさえ思えてきます。もちろん歳費などを削減すれば、もっとたくさん歳出を減らせます。

最も、あまりにも(歳費だけでは普通の生活も営めないほど)給料を削り過ぎると、優秀な人が国会議員を目指さなくなる恐れもあるので、そのへんのさじ加減は難しいところです。しかしそれでも、国民に増税という形で負担をお願いするのであれば、議員自身も財政再建に協力する姿勢を見せる必要があるのではないかと考えます。まずは諸経費について領収書を公開するところから始めてはいかがでしょうか。

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