年金制度改革法案は「年金カット法案」ではない。現実として年金を減らさなければ若者と将来世代が全員死亡しかねない。未来の人を守るためには、高齢者も負担を引き受けねばならない。

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巷では「年金カット法案」と言われ騒がれている年金制度改革法案ですが、現実問題として今すぐに年金支給額を抑制しなければ財源がなくなり、現在の若者と全ての将来世代が経済的に死んでしまいます。それを避けるためには、高齢者も相応の負担をせねばならないのです。また、実際には「年金カット」とは言い切れない部分もあります。

もくじ

  • 年金は現役世代が払う保険料と税金で支えられているが、現役世代と将来世代の負担をこれ以上増やすことは許されない
  • 発動されなかった「マクロ経済スライド」
  • 低所得者対策は年金以外のシステムでも出来る。年金支給額を直ちに調整し、将来世代の暮らしを守れ!

年金は現役世代が払う保険料と税金で支えられているが、現役世代と将来世代の負担をこれ以上増やすことは許されない

2016年現在、日本の年金は基本的に「賦課方式」で運営されています。すなわち、ある年の現役世代が支払った保険料を使って高齢者に年金を支給しているということです。実際には税金や積立金も投入されていますが、それでも現役世代が支払う保険料がなければ年金は成り立ちません。

しかし御存知の通り日本では少子高齢化が進んでおり、保険料を支払う現役世代が少なくなる一方で、年金をもらう高齢者が増え続けています。出生率も低いままですから未来の年金を支える将来世代も少なくなることは容易に想像できます。年金支給額や支給開始年齢を変更しない限り、増え続ける費用を少ない人数で支えなければならなくなってしまいます。

もちろんそのまま放置していては、現役世代や将来世代が保険料負担に押しつぶされて死んでしまいます。ただでさえ将来世代(若者含む)は1000兆円を超える国債の処理をさせられることがほぼ確定しているのですから、せめてもの罪滅ぼしとして今のうちに片付けられる負の遺産は残さず全て片付けるのが現役世代や高齢者の義務と言えましょう。もちろんこれ以上負担を上積みするような行為は以ての外ですから、年金保険料の負担も増やすことは許されません。

発動されなかった「マクロ経済スライド」

もちろん、将来世代の負担を抑え、世代間格差を是正するためのシステムが実装されなかったわけではありません。2004年に導入された「マクロ経済スライド」によって年金支給額を抑え、なんとか年金財政の均衡を維持して現役世代の負担を抑える事になっていました。しかしどういうわけか、現行の制度ではマクロ経済スライドはデフレ下では発動されないことになっています。そのため、マクロ経済スライドは2015年になるまで1度たりとも発動されず、年金支給額の抑制はなされませんでした。

その結果、現在の高齢者は本来の水準よりも年金を「もらい過ぎている」状態になりました。もちろんこのままでは年金財政は危うくなりますから、今回の年金改革でマクロ経済スライドを強化することになりました。デフレ下では発動されない点は変わりませんが、賃金や物価が上昇した際に、過去に調整できなかった部分を一気に調整できるようにするルールを盛り込み、「もらい過ぎ」を是正することになりました。また、賃金が低下した場合にはそれに合わせて年金も減らすことになりました。

低所得者対策は年金以外のシステムでも出来る。年金支給額を直ちに調整し、将来世代の暮らしを守れ!

今回の年金改革では、本来の水準よりも高くなっている年金支給額をあるべき姿(マクロ経済スライド適用後の姿)に戻し、年金を維持するとともに現役世代や将来世代の負担増を極力抑えることを目指しています。野党は現在の年金支給額よりも減額されるところにばかり焦点を当てて「年金カット法案」などと騒いでいますが、実際のところは本来よりも高額だった年金支給額をあるべき姿に戻すだけです。

もちろん資産も所得もない高齢者への対策は必要ですが、その対策が年金でなければならない理由はありません。生活保護でも構いませんし、ベーシック・インカムを導入して社会保障を全部そちらに一本化するという選択肢だってあります。もはや「高齢者だから」という理由で一律に優遇できるような状況ではありません。所得・資産がある高齢者には自力で生活してもらい、所得・資産がない高齢者と現役世代に支援が行き渡るようなシステムにしなければならないのです。

もはや年金制度の抜本的改革を避けて通ることは出来ません。改革を先送りすることは、負債を積み上げて現役世代を苦しめ、将来世代に死刑を宣告することと同義です。現役世代と将来世代を守るためには、高齢者にも相応の負担を求め、現在の年金等の給付を抑えるしかありません。

未来の日本を支える将来世代はまだ生まれていないか、生まれていても選挙権がなく、声を上げることが出来ない状態です。それ故に拒否権を持たず、ただ現状を受け入れるより他ない彼らにばかり負担を押し付けることはあまりにも無慈悲で理不尽です。高齢者の皆様はまだ見ぬ将来世代のことまできちんと考え、未来の為になる投票行動をしてほしいものです。

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