「個人情報保護法」が改正され、2017年5月30日以降はPTAにも適用されることに。これは現在のPTA問題を一気に変える会心の一撃となりうる。

部活問題と同様に、「任意加入であるにも関わらず強制的に加入させられる」ことが問題視されているPTAですが、2017年5月30日以降はPTAにも個人情報保護法が適用され、個人情報の管理を適切に行う義務が発生します。これはPTA問題の現状を一気に変える会心の一撃となりうるでしょう。

もくじ

  • 個人情報保護法の改正は、あらゆる個人と組織に「個人情報の適切な取扱い」を義務化する
  • PTAは「学校とは別モノ」であり「任意加入」である。入りたくない人は入らなくて良い組織。

個人情報保護法の改正は、あらゆる個人と組織に「個人情報の適切な取扱い」を義務化する

2017年5月30日に、「改正個人情報保護法」が施行されます。個人情報保護法については個人情報保護委員会のPDF資料をご覧いただくことにして、説明に入ります。今回の個人情報保護法の改正で重要な点は、取り扱う個人情報の数が5000以下の個人・組織にも個人情報保護法が適用される(「個人情報の適切な取扱い」が義務化される)ということです。

個人情報保護法では、個人情報の取扱いについて以下のようなルールを設けています。2017年5月30日以降は、個人情報を取り扱うすべての個人・組織がこれを遵守する必要があります。

  • 個人情報を取得する時は、利用目的を本人に知らせなければならない。要配慮個人情報(人種や社会的身分、健康状態などの情報)を取得する場合は本人の同意が必要。
  • 取得した個人情報は、利用者に伝えた利用目的以外には使わない。他の目的に使う場合は改めて本人の同意を得る。
  • 個人情報を第三者に渡すときには、本人の同意を得る。
  • 本人が個人情報の開示、訂正、利用停止を要求した時はこれに応じなければならない。
  • 個人情報を保有する場合は、これを安全に管理しなければならない。

これまで、PTA会員の名簿は学校が保有している児童の名簿を流用して作成されていました。しかし、学校がPTAという別の団体(第三者)に対して保護者の同意を得ずに個人情報を渡しているので、個人情報保護条例(中身は個人情報保護法とだいたい同じ)に違反していることになります。また、5月30日以降は改正個人情報保護法が施行されるので、PTAに対しても個人情報を集める際は「適正な手段で」取得する義務が生まれます。個人情報の使用目的は保護者にはっきり伝えねばなりませんし、個人情報の出所も合法的なものでなければなりません。いずれにせよ、学校が保有している名簿をPTA会員名簿に流用するのはダメ、ということです。

PTAは「学校とは別モノ」であり「任意加入」である。入りたくない人は入らなくて良い組織。

これまで、PTAは学校とは別物であり任意加入である組織でありながら、いかにも子どもが学校に在籍している間は加入することが義務である組織のように振る舞い、数多の保護者を絶望の淵に落としてきました。しかし、PTAはあくまでも「学校とは別の組織」であり、「任意加入」です。辞めたい人は脱退しても法的な問題はありません。

PTAの全員加入制を支えてきたものは、「慣習」の力と名簿の違法流用です。しかし、今回の個人情報保護法改正により、名簿の違法流用で学校に在籍する児童の保護者全員をPTAに動員する道筋は完全に絶たれようとしています。個人情報保護法の改正は、長きにわたったPTA問題を一気に変えられるであろう威力を持つ会心の一撃です。

そして、仮に保護者が個人情報の提供に同意したとしても、その保護者をPTAに入会させる場合には別途PTA入会の意思を確認し、本人の同意を得る必要があります。PTAはあくまでも「任意加入」ですから、本人の同意なしに無理やり加入させることはできません。これまでは違法な強制加入が続いてきたPTAですが、そろそろ違法状態は解消されなければならない時期です。

参考リンク

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