冤罪を生み出さないために、被疑者の取り調べへの弁護士の同席を認めて被疑者にも国選弁護人をつけるべき。

現在、日本において被疑者の取り調べは弁護士その他外部への接続の一切を遮断した密室で行われています。密室においては何が行われているのかが外からわからない(だから密室と言われる)ので、被疑者が意に反する供述を強要されたり、精神的に追いつめられて健康を害したりすることがあります。また、取り調べの内容を外部から証明することが難しく、それによって足利事件などのような冤罪が発生している側面もあります。

取り調べには弁護士の同席を認める(と言うか義務付けする)ほうが良いのでは?

  • 取り調べの可視化も当然必要だが、取り調べに弁護士が同席することもまた必要だ!!
  • 被疑者が無実の罪を被せられている可能性を排除できない以上は、取り調べにおいても被疑者の利益を保護するために警察・検察官と法律的知識で対等に戦える弁護人をつける必要がある。
  • 被疑者にお金がない事態も当然想定されるので、取り調べの段階から国選弁護人をつけることも合わせて実現すべき。冤罪被害者を出さないために。

密室での捜査が足利事件のような悲劇を生み出す全ての元凶

まず最初に、「推定無罪」について説明する必要があります。意味は読んで字のごとくです。Wikipediaより引用すると

推定無罪(すいていむざい)とは、「何人も有罪と宣告されるまでは無罪と推定される」という、近代法の基本原則である。
とされており、検察官が被告人の有罪を証明できなければ、被告人には無罪判決が言い渡されます。また、被告人の有罪判決が確定するまでの間は、被告人は無罪として扱われます。日本においては往々にしてこの原則は無視され、痴漢冤罪(被害を受けたとする側の供述ばかり重視され、被疑者の供述は一切切り捨てられることもままある)などの問題が発生しているのですが。もちろんこの場合も被疑者が痴漢をしたことを証明できないかぎりは被疑者は無罪となります。司法機関が推定無罪の原則をガン無視していることは非常に大きな問題です。

ともあれ、密室捜査と弁護人が同席しないことのすさまじいアンチシナジーによって、冤罪事件は生み出されてしまうのでしょう。足利事件では意に反する自白を強要され、精度が低く証拠能力に欠ける当時のDNA鑑定を証拠認定され、結局収監される羽目になりました。あるいは取り調べが可視化され、弁護人が取り調べに同席できれば結果は違ったものになったのかもしれません。しかし、17年以上にわたって無実の一般人の自由を奪ってしまったことは変えられない事実です。

冤罪の悲劇を生み出さないためにも取り調べの可視化と弁護人の同席、取り調べ段階から国選弁護人をつけることが急務ではないか!?

人間は誰でも間違いを犯します。それは仕方がないことです。しかし、冤罪が発生する理由はそれだけではないはずです。密室での取り調べにより、無実の一般人を精神的に追い詰め、自白を強要し、裁判においても推定無罪の原則をガン無視し、意に反する自白だけで有罪判決を下す。これでは冤罪が発生して当然です。断じて許されることではありません。

このような悲劇を繰り返さないためにも、推定無罪の原則の周知徹底はもちろんですが、取り調べの可視化、取り調べにおける弁護士の同席、取り調べ段階からの国選弁護人の選定が求められるのではないかと思います。取り調べを完全に可視化することにより、外部の目から取り調べが人道的に正しく行われていることの証明が可能になり、拷問や自白の強要を防げるようになります。取り調べに弁護士が同席することにより、被疑者の利益を保護し、無実の罪を被せられる悲劇を減らせるでしょう。そして、取り調べ段階から国選弁護人を選定することにより、被疑者の経済的状況にかかわらず、弁護人が同席する恩恵に与れます。

現在の日本の司法制度はとことん冤罪の可能性を無視したものになっているのではないかと思います。しかし、人間が間違いを犯す生き物である以上、冤罪の可能性を排除することはできません。そうであるならば、無実の人をきちんと守れるように、推定無罪の原則の周知徹底とともに、取り調べの可視化、取り調べにおける弁護士の同席、取り調べ段階からの国選弁護人の選定が必要なのです。

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