待機児童問題をどうにかするためには、ベビーシッター等の活用へかじを切り、保育サービス利用者に補助金を出すという手もある。

待機児童問題について、「保育園落ちた日本死ね!!!」「保育園の第一志望受かったけどやっぱり日本死ね」(いずれもはてな匿名ダイアリー)と言ったエントリーが盛り上がったり、それに対する「「保育園落ちた日本死ね!!!」って言われたけど、むしろ東京都は保育園をつくるべきではない理由 | 東京都議会議員 おときた駿 公式サイト」といった記事が投稿されたり。待機児童問題は相変わらずのようです。

ハコモノは造った後の管理があるから、財政難な自治体は新造を躊躇する。つまり保育所の新設は難しい。小規模保育やベビーシッター等の活用に転換しなければならないだろう。

  • ハコモノは、造ってハイおしまいではない(新造コストも高いが)。取り壊すまでの間は適切に管理しなければならない(お金がかかる)し、取り壊しにもお金がかかる。だから財政難な自治体としては、これ以上保育所を新設したくないというのが本音であろう。
  • そんな中で保育サービスの需要に見合う供給を作り出すには、小規模保育やベビーシッター等を活用する方向に舵を切る必要がある。利用者側に補助金を出し、保育所に行くことになってもベビーシッターを依頼することになっても、子育て世帯の経済的負担を軽減できるようにしなければならない。
  • そもそも保育サービスの需要に対して供給が少ないのは、保育士(など)の待遇があまりにもひどすぎるから。保育士の月給を一律で10万円上げるくらいのことは必要だと思う。給料と休みを増やせば、それなりに人は集まるはず。

待機児童問題は、保育サービスの需要に対して供給が不足していることによって発生した問題である。

相変わらず日本では待機児童問題が深刻です。その原因は、至極当たり前の事ですが、「保育サービスの需要に対して供給が不足している」ことです。通常の市場経済では、供給が不足すれば、価格が上昇して需要が減少し、どこかで均衡します。なにか希少な(そしてみんなが欲しがっている)ものが売りに出された時、オークションの如く値段が釣り上がり、どこかしらでオークション状態が落ち着いて売買成立する感じですね。

しかし(公立の)保育所だと、際限なく保育料が上昇してしまったら、低所得者が保育サービスを利用できず、公平性という面では難があります。こちらの場合は、値段の代わりに、いわゆる入園点数で選考されますが、こちらもなかなかアレなことになっています。

保育園の第一志望受かったけどやっぱり日本死ね」のエントリーによると、なんと妊娠前から「保活」が始まるそうな。情報収集と妊娠(出産)時期の調整に始まり、妊娠したら速攻で区役所詣で。可能ならば選挙運動の手伝いを行って地元の議員さんのコネを作るという手段まで(エントリーの投稿主曰く「自分の家族を守るためならマルクスでも法華経でも頼る覚悟が必要だ。」)。安定期に入れば保育所見学と同時進行で入園点数を最大限に稼ぐ策を練るのだそうです。合法的に行える策は全て行うのは当然として、それでも点数が足りなければ、グレーゾーンにも足を突っ込むことに(例(だいたい引用):偽装別居、偽装離婚(ペーパー離婚)、障がい者申請、最後の手段として夫のDV偽装)。無事に子供が生まれたら再度区役所詣でを行い、正規の入園書類を作成。…ごく普通の保育園に子供一人を入園させる手続きにしては、あまりにも面倒くさすぎます。

保育所が(ひいては保育サービスが)不足しているのは、認めなければならない事実です。解決策としては、

  • 保育士の賃金を一律で月給10万円上げる(10万円の根拠はこちら)
  • 東京一極集中を是正する(1箇所に集まるから局地的に供給が不足する)
  • 保育所をもっと作る(保育士の確保が同時進行)
  • ベビーシッターや小規模保育をフル活用(こちらも待遇改善と利用者(サービス提供者)への助成金が必要)
…などが考えられますが、保育所をもっと作るというのは、自治体としてはできれば最後の手段にしたいところでしょう。「保育園落ちた日本死ね!!!」って言われたけど、むしろ東京都は保育園をつくるべきではない理由 | 東京都議会議員 おときた駿 公式サイトでも言及されていますが、ハコモノを造るには、時間とお金と土地が必要です。そして、ハコモノは造った後も、使用を停止する(取り壊す、民間に払い下げる など)までは維持費がかかります。要らなくなったからといって、おいそれと処分することはできません。財政難な自治体としては、ハコモノをこれ以上増やして、将来の財政負担を増やすような真似はしたくないでしょう。

小規模保育やベビーシッターを最大限活用し、補助金を利用者側に出すようにするのも一案。

これも「保育園落ちた日本死ね!!!」って言われたけど、むしろ東京都は保育園をつくるべきではない理由 | 東京都議会議員 おときた駿 公式サイトで言及されていることですが、とにかく保育サービスの供給を(質をそれなりに保ちながら)増やす必要があります。小規模保育やベビーシッターなど、利用者のニーズに合わせて比較的供給の調整がしやすいシステムをもっと活用するというのは、待機児童問題を解決するためには必要なことだと思います。

問題の一つとしては、認可保育所に比べてベビーシッター等の料金が高いことが挙げられます。こちらについては、認可保育所につぎ込んでいる補助金を、丸々児童手当に回し、そこから保育料を出してもらう形式にすれば、ある程度解決できます。増額された児童手当から、保育所を利用する人は保育所代を、ベビーシッターを利用する人はベビーシッター代を出せば良いのです。こうすれば、子育て世帯は誰もが安価に保育サービスを利用できます。認可保育所は、「保活」しても入れるかどうか怪しいシロモノな上、選考で不合格になると認可保育所の恩恵をうけることができません。認可保育所だけに多額の財政支援をするのは、ある意味でとても不公平です。

「一億層活躍社会」を謳うのであれば、保育サービスの供給をきちんと確保し、「保活」をしなくても普通に子供の預け先を確保できるようにする必要があると思います。改善しなければならない課題は数えきれないほどありますが(例:長時間労働の是正、労働基準法をすべての会社に厳格に守らせる、ブラック企業の撲滅、保育士介護士などなどの待遇改善、労働基準法違反の会社をなくす…)、できるところから進めていくのが大事だと思います。

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