日本では何かと「一つのことに集中する」ことを強制している気がするが、「複数のことを少しずつやる」ことを認めてもいいのではないかと思う。
投稿日:2016年05月18日
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「一つのことに集中してよそ見をするな」というスタンスを強制するのはいかがなものかと思う。「複数のことを少しずつやる」のも世界が広がっていいかもしれない。
- 会社の副業禁止規定や学校の休みなき部活動は完全に「一つのことに集中してよそ見をするな」というスタンス(副業禁止規定は社員を奴隷化しようというブラック企業の非人道的な思想が丸出し)。しかしこれでは個人の未知の才能を発見する機会を容赦なく刈り取ってしまう。「複数のことを少しずつやる」ことを認めてもいいのではないか?
- 社員の副業を認めたり、もっと進んで「一人の人が複数の会社に(正規で)雇われて働く」事を認めれば、社員は複数の収入源を得ることができる。社員の生活(ひいては精神)は安定し、企業としても視野が広がった社員を雇える。部活動も休みをガンガン増やして他の部活動や部活動以外の活動もできるような時間を確保すれば、生徒の世界は確実に広がる。
会社において「一つのこと(本業)に集中してよそ見(副業)をするな」と言うのは「社員は会社の奴隷だ」と宣言しているに等しい。部活動でも「一つのこと(所属している部活)に集中してよそ見(その他の部活や部活以外の活動など)をするな」と言うのは生徒の可能性を叩き潰している。
日本の会社では、「副業禁止規定」があるところもまだまだ少なくないのではないでしょうか。しかし、「副業禁止規定」は社員が2つ以上の収入源を持つことを制限し、暗に「社員は会社の奴隷になれ」と脅しをかけているブラック企業の所業であると考えます。収入源が1箇所だけになれば、嫌でもその収入源(つまり会社)にしがみつかざるを得ませんから、なんとかして解雇されないように最大限の努力を払うことになります。その結果、労働基準法違反が横行しても泣き寝入りを余儀なくされ、ブラック企業直行コースです。「副業禁止規定」はブラック企業の駆逐を困難にし、社員を完全に奴隷化してしまう非人道的で極悪な規定です。
また、現在「部活問題」が浮上している学校の部活動も、「一つのことに集中してよそ見をするな」というスタンスのところは少なくないのではないでしょうか。運動部(及び音楽系の部活)ともなると「大会で勝つ」ことが至上命題とされ、「大会に勝つために休日無しでひたすら練習!!…勉強?趣味?そんなもん知るか!!わき見すんな!!」というところもあるかと思われます。これは生徒が所属している部活動以外での活動(勉強、趣味、資格取得、その他色々)を行う時間と機会を奪い取り、生徒に存在する未知の才能を発見する機会を刈り取り、自由時間があれば伸ばせたかもしれない生徒の可能性を完全に叩き潰すものです。
会社でも学校でも「二足(以上)のわらじ」を認め、それが現実的に可能な環境を作ることが必要かもしれない
会社でも学校でも、「二足(以上)のわらじ」を認め(副業禁止規定の廃止、部活動の休日を増やす、など)、現実的にそれが可能な環境を整備する必要があるかもしれません。そしてそれは、個人のみならず会社や学校にもメリットが有るはずです。社員が副業を持つようになれば、それによって視野が広がった社員を雇うことができます。また、社員は2つ以上の収入源を持つので、不況時の労働調整(給料を減らす代わりに休みをドーンと増やす、など)もやりやすくなるかもしれません(参考記事→「副業禁止」の会社では、ぼくは絶対に社員として働きたくありません。優秀な人ほど、そう考えるとも思います : まだ東京で消耗してるの? 「副業解禁」で、会社は儲かる : まだ東京で消耗してるの?)。社員の副業を認めることは、雇用維持や不景気リスクへの対策として必要であると考えます。
また、学校ならば尚更「二足(以上)のわらじ」を認める必要があると思います。様々なことを体験することで、生徒の世界は確実に広がるはずです。未知の才能を見つけて、そちらの道に進むかもしれません。あるいは趣味が増えて面白い人になるかもしれません。そのためにも、部活動加入強制システムは完全廃止する必要がありますし、部活動はもっと「ゆるく」なるべきです(休みやすく・辞めやすく・入りやすく)。本来ならば部活動は完全廃止(学校から分離)してクラブチームや地域の同好会などの学校外での活動に移行すべきなのですが。