乾いた雑巾をいくら絞っても何も出てきやしない。コスト削減で人件費を切り下げたら従業員たちはものやサービスなどを買えなくなる。これでは景気が良くなるわけがない。

徹底したコストダウンの例えとして、「乾いた雑巾を絞る」という言葉があります。しかし、コストダウンにも限度があります。部品代をカットすれば下請けメーカーが困窮しますし、人件費をカットしたら従業員は給料が下がってものやサービスなどを買えなくなります。これでは景気回復は夢のまた夢ですし、業績も改善できないと考えます。

下請けや従業員を犠牲にするコストダウンは持続不可能。きちんとした利益や給料がなければ、景気は良くならないし購買意欲も上がらない。

  • 「乾いた雑巾を絞る」コストダウンは、下請けメーカーや従業員を犠牲にする形で行われることもある。部品単価の切り下げや賃金カットなど。しかしこれでは、下請けメーカーは利益が出なくなってしまう(そして下請けメーカー従業員の給料が下がる)し、従業員も給料が下がってものやサービスなどを買えなくなる。
  • 給料が下がれば購買意欲も下がる。ものやサービスを買おうと思っても、そのための金が入らなくなるから。こうして景気は悪化する。大手メーカーのコスト削減圧力は、時に景気悪化の原因になる。…コスト削減圧力の原因が「消費者が高いものやサービスを買わないから」だったりすると、「鶏が先か、卵が先か」のジレンマに陥るのだが。ともあれ、労働基準法違反のブラック企業は抹殺されるべきである。

コストダウンで下請けや従業員を苦しめたら、人々の購買意欲は下がり、景気が悪化する。業績改善を目指してコストダウンを推し進めた結果、逆に業績が悪化する。

企業(製造業の大手メーカーなど)は業績改善を目指し、コストダウンを行うことがあります。コストダウンの圧力は相当なもので、「乾いた雑巾を絞る」の言葉通り、極限までコストを切り詰めようとする企業も存在します。しかし、大手メーカーがコストダウンにとりかかった時、従業員と下請けメーカーが犠牲になることも多々あります。

部品単価を切り下げれば、商品の原価率が下がって利益が増えます。賃金をカットすれば人件費が減るので、やっぱり利益が増えます。労働基準法違反上等なブラック企業であれば、残業代を支払わなかったり、休憩時間にも仕事をさせたりして人件費を更に圧縮しようとするかもしれません。単純に考えれば「売上-経費=利益」なので、経費を減らせばその分だけ利益が増えるわけです。…売上が減少しなければ。

しかし、従業員や下請けメーカーを犠牲にしてコストダウンを行ってしまうと、売上が減少する場合があります。考えて見れば当たり前な話です。給料が下がった従業員はものやサービスを買えなくなる(節約に走る)ので、世の中の企業の売上が減り始めます。部品単価切り下げの憂き目にあった下請けメーカーもまた、倒産回避のために人件費の削減を余儀なくされるわけですから、やっぱり給料が下がって従業員はものやサービスを買えなくなる(節約に走る)のです。そしてまた世の中の企業の売上が減り、人々はお金を使わなくなり、結局自分たちの売上も減ります。

いくら経費を切り詰めても、売上高が減少してしまっては減益待ったなしです。コストダウンで不要(だと思っていた)経費を削減して業績を改善するはずが、景気悪化とそれに伴う売上高の減少を招き、結果的に自分の首を絞める形になってしまいました。なんということでしょう。また、コストダウンの過程で余剰(とされる)人員がリストラされ、職場に余裕がなくなって労働環境が悪化している可能性もあります。有休が取りにくくなるわけですから、そちらも大問題です。

従業員や下請けメーカーなどを犠牲にする形でコストダウンを行っても、誰も幸せにはなりません。給料ダウンでデフレ・スパイラル一直線です。物価が下がるので消費者にとっては嬉しいかもしれませんが、同時に給料も下がるので、結局購入可能なものやサービスの量は変わりません(むしろ減るかも?)。デフレ・スパイラルが続けば、企業も家庭も苦しみます。税収が減るので政府も苦しみます。これはひどい

ここまで長々と書き連ねてきましたが、乱暴に要約すれば、「大手企業は従業員や下請けを犠牲にする形でのコストダウンをするな!!」…ということです。従業員や下請けを犠牲にする形でのコストダウンを強行しても、悲惨な末路をたどるだけなのですから。…コスト削減圧力の原因が「消費者が高いものやサービスを買わないから」だったりすることもあり、その場合「鶏が先か、卵が先か」のジレンマに陥るのがこの問題をより難しくしています。しかしそれでも、人を雇うからには最低限労働基準法は遵守しなければなりませんし、大手企業であれば下請けメーカーが労働基準法を遵守できるようにそれなりの配慮をすべきではないでしょうか。労働基準法違反なブラック企業は、市場から排除されるべきです。

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