「ゆとり世代を叩き直す」ために新人研修で自衛隊に体験入隊させる会社があるというが、それはいかがなものかと思う。少なくとも労働基準法を遵守しないような会社には社員に文句をいう資格はない。

最近は「新人研修に自衛隊への体験入隊をさせる」という会社もあるようですが、私としてはそれはいかがなものかと思います。軍隊的規律を新入社員に叩き込んで洗脳し、会社へ絶対服従させたいのでしょうか。

おかしな人はいつの時代も一定数は必ずいる。会社のほうがおかしいことだってある。過酷な新人研修は新人たちに恐怖を植え付け、将来の新人たちの意欲まで削ぎとってしまいかねない。

  • 最近は新人研修の一環として新入社員を自衛隊に体験入隊させる会社もあるようだが、社員に軍隊的規律を叩き込んで何をしたいのだろうか。集団行動に適応させ、滅私奉公の精神を注入するのだろうか?過酷な新人研修をするところもあるが、新人たちに恐怖を植え付けて奴隷のごとく支配するのが狙いだろうか。恐怖を植え付けても仕事の効率は上がらないと思うのだが。むしろ将来の新人たちの意欲まで削ぎとってしまう愚行に思える。
  • 「最近の若者は云々」は大昔から変わらず言われ続けてきた若者批判のセリフ。批判してる側の人間は若い時にきちんとしていたから批判する側に回っているのだろうか?自分自身がまともじゃないのに批判する側に回ったら容赦なく若者を批判していく人もいるのではないだろうか。これこそまさにダメな大人の見本(笑)。
  • 最近は「これだからゆとり世代は」というフレーズがよく使われるが、おかしな人はいつの時代にも必ずいる。レッテル貼りするのは楽かもしれないが、ゆとり世代や若者のすべてがダメだというわけではない。批判する側の人間や会社のほうがおかしいことだってある。労基法無視のブラック労働はおかしい以前に法律違反だし、労働時間以外に労働者を会社に拘束するのもおかしい。

新人研修に恐怖体験を組み込む方はショック療法のつもりかもしれないが、恐怖はやる気と効率の低下を生む原因である。社員は奴隷ではない。たとえ新人でも雇用契約を締結した社員であることには変わりない。

最近の新人研修は、新入社員を自衛隊に体験入隊させたり、あるいは理不尽に叱責したり罵倒したりするような恐怖体験や洗脳や人格否定、あるいは奴隷養成コースとしか思えないようなものが見受けられます。こう言うと「最近の若者はやる気が無いからショック療法で叩き直さないとアカン」とかなんとか言い出す人がどこからともなく湧いてきそうですが、恐怖では仕事の効率を上げることは出来ません。社員に恐怖心を抱かせると、仕事の効率よりも恐怖を回避する行動を優先するようになってしまうでしょう。もちろん新しいアイデアは出してもまた理不尽なことを言われると考え、そっと自分の中にしまい込みます。恐怖は仕事の効率を下げてしまうと思います。

新人研修は、本来なら新入社員に対して仕事に必要なスキルを身につけさせる場であるはずです。間違っても新入社員いじめの場ではありません。そして、社員は奴隷ではありません。雇用契約を締結し、給料という対価を支払って労働してもらう一人の人間です。そして、労働基準法を遵守することは人を雇う上で最低限の義務です。それさえできない会社は遠からずブラック企業の烙印を押され、労働基準監督署の指導が入ることでしょう。あるいは世間からの批判の嵐にさらされるかもしれません。社員に文句をいうのであれば、会社はまず労働基準法を守らなければなりません。話はそれからです。労働基準法一つまともに守れないような会社に、社員に文句をいう資格はありません。

また、「社員には本気で仕事をして欲しい」と言ったところで、そんなのは現在の経済情勢では絶対に無理です。現在の若者たちは、生まれた時から不景気が当たり前の時代に育ち、非正規雇用の拡大やリストラの恐怖を肌で感じています。一つの会社に人生を預けてしまうことの危険性をきちんと理解しているであろう世代です。そんな世代の人に「給料も休みも少ないけど死ぬ気で働け。給料は後からついてくる。やりがいはあるんだから休みはいらないだろう?」とかなんとか言い放ってしまえば、まず間違いなく一瞬にして「あ、この会社ブラック企業だマズイぞ何とかして逃げ出さなければ…」という考えにたどり着きます。時代が変われば、物事の有効なやり方も変わるのです。

若者批判をする大人たちは自分たちが若かった頃に物事がきちんと出来ていたのだろうか?社員に対して「もっとやる気を出せ」と言い放つ会社はきちんと労働基準法を遵守しているのだろうか?

働く目的は生活のため。労働基準法を遵守しない会社は全て論外級のブラック企業。サービス残業やそれに類似した飲み会などもってのほか。やりがいなどあったところで腹の足しにもならない。それよりも潤沢な給料と潤沢な休暇がほしい。年金はあてにならないから老後の備えも自分でしなければならない。会社はもっとあてにならないからサービス残業は絶対にしない。長時間労働したくない。副業禁止規定は社員を奴隷化する悪魔の規定。社員の士気を手っ取り早く上げるのは給料と休暇を増やすこと。目指せ週32時間(以下)労働。…現在はこうした考え方がスタンダード化してきているのではないでしょうか。そして、その流れが止まることはおそらく無いでしょう。

こうした考え方に対して、「やっぱり最近の若者はアカンなあ」とかなんとか言い放つ自称「良識ある大人」の方もいるかもしれません。しかし、若者批判をする自称「良識ある大人」の方は、自分が若者だった頃に物事がきちんと出来ていたのでしょうか?自分が若い時に物事がきちんと出来ていたというのならばまだしも、自分もできていなかったのに若者批判をするような人はどういう思考回路をしているのでしょうか。

また、「最近の新人はたるんでるなあ」とかなんとか考えている会社の方も、労働基準法をきちんと遵守しているのでしょうか。労働基準法違反は、社員を人として扱っていない(奴隷として扱っている)ことと同義だと考えます。

第一条  労働条件は、労働者が人たるに値する生活を営むための必要を充たすべきものでなければならない。
○2  この法律で定める労働条件の基準は最低のものであるから、労働関係の当事者は、この基準を理由として労働条件を低下させてはならないことはもとより、その向上を図るように努めなければならない。

労働基準法

上記より、労働基準法は「労働条件の最低基準」であることが分かります。また、「労働条件は労働者が人間らしい生活を営めるものでなければならない」という趣旨の条文もあります。これより、労働基準法で定める労働条件は「労働者が人間らしい生活を営める最低限のもの」と解釈できます。ゆえに、労働基準法を遵守しない会社は、社員を奴隷扱いしていると考えられます。労働時間以外に社員を拘束するのもブラック企業フラグです。社員に文句を言う前に、会社はまず労働基準法を完璧に遵守しなければなりません。話はそれからです。

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