滅私奉公は全体主義に繋がる。プライベートを軽視しては、仕事の効率は上がらないし、高い成果も出せない。

滅私奉公の思想が、サービス残業や定時に帰れない病、休む=怠けな思想を生み出しているのかもしれません。

仕事一辺倒だと体を壊す。プライベートをきちんと確保しないと、いい仕事はできない。

  • キレイゴトぬきに言えば、働く目的は、生活費を稼ぐためになる。労働者は休みと給料を最大化したいし、(労働者を奴隷と捉えている)使用者は休みと給料を最小化して労働時間を最大化したい。使用者の暴走を止めるために労働基準法があり、労働者を保護している。
  • 人間は、休みがあるから全力でいい仕事ができる。力を出したら休まなければならない。だが、滅私奉公の思想では、休むことを悪と捉えることがよくある。それでは休むに休めないし、体を壊して仕事ができなくなる。滅私奉公は、長期的に見ると効率が悪すぎる。
  • プライベートが保証されているからこそ、きちんと仕事に取り組める。休むことは怠けじゃない。体と心に余裕をもたせ、いい仕事をするために必要な充電期間だ。

労働者と使用者のせめぎあいと、使用者を拘束して労働者を保護する労働基準法。

労働者としては、「1日0時間労働・週7日休業・月給50万円以上!!」…が良いか悪いかはともかくとして、労働時間を最小化し、休みと給料を最大化できれば、それが理想なのではないかと思います。私は怠け者なので、理想の労働条件を掲げると先述した感じになります。

一方で、使用者としては、「1日24時間労働・週0日休業・月給0円・衣食住は各自で用意」…は流石にひどすぎですが、使用者の利益をとことん追求すれば、効率無視の結果こうなるのではないかと。もう少し緩和すれば、「1日15時間労働(8時間睡眠と僅かな余暇)・週0日休業・月給0円・衣食住は最低限のものを支給」みたいな感じになるかもしれません。

…まあ、今挙げた二者の対立は極端ですが、一般的に言えば使用者のほうが立場が強いので(戦う労働組合があるなら別)、使用者の要求が通ることになります。そうなっては労働者は奴隷同然の強制労働を強いられることになります。これでは流石に人権も何もあったもんじゃないので、使用者の暴走を防ぎ、労働の最低条件を定めた「労働基準法」が制定され、労働者を保護することになっています。労働基準法は、労働者の権利を守るためにあるのです。

人間は、きちんと休まないと仕事の効率が落ちます。たっぷり睡眠をとった人と、3日連続で徹夜している人のどちらが効率よく仕事をこなせるかと言ったら、たっぷり睡眠をとった人の方に軍配が上がるのが普通です。休まないで仕事をしても、効率が下がるだけです。良い仕事をするならば、きちんと休みをとって、最高のパフォーマンスを出せる状態にする必要があるのです。

滅私奉公はプライベートを軽視する危険思想。きちんと休まないと仕事のクオリティは上がらないぞ!!

滅私奉公を突き詰めると、「休みは全部返上。仕事がある限り(と言うか仕事が無くても)始発で出勤、終電で退社。もちろん残業は全部サビ残だ!!プライベート?ライフワークバランス?んなもん怠けだ!!ゆとりがあることは悪いことだ!!残業代と休みはないのが当たり前だ!!」なんてことになりかねません。もちろん労働基準法に違反しています。労働基準法には4週4休(最低限週1日は休み)・残業代の支払い・1日8時間(週40時間)労働などが定められており、労働者の権利の保護に努めています。滅私奉公は、法律よりも会社が大事という無茶苦茶な思想なのです。

人間は、休みがあるからこそいい仕事ができるのです。というか休みがないと効率が下がります。労働時間は長けりゃいいってもんじゃありません。日本人は、ある意味で時間を守れない民族です。時間を守れるのならば、みんな定時にはきちんと家に帰るはずです。定時に帰宅しないってことは、時間を守らないってことです。会社が明らかに定時に帰れないような仕事を振ってきたら、その会社には時間を守ろうという意志はないといえます。内部でもろくに時間を守れない会社が、取引先との約束を守れるはずがありません。

何度も言いますが、「休み=メンテナンスタイム・充電時間・必要な時間」です。人間は、休むことでゆっくり体力を回復し、次の仕事にとりかかる下地を作るのです。プライベートを軽視することは、休みを軽視し、メンテナンスを軽視することです。機械はメンテナンスを怠ると、突発的に壊れたり、寿命を縮めたりするでしょう。人間だって同じことです。もっとみんなきちんと定時に帰って、きちんと休めば、仕事のクオリティは今よりもずっと良くなるのにと思います。

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