「週休2日制」の罠に要注意!!「毎週必ず2日の休みがある」のは「完全週休2日制」。「週休2日制」だと「月1回(以上)週休2日で後は週休1日」の可能性があるので要注意!!
投稿日：2016年04月17日
最終更新日：
「週休2日制」と「完全週休2日制」の違いは学校かなんかでもキチンと教えてほしい…
- 労働基準法では「週1日以上の休日を与えること」が定められている。「毎週1日の休日」がいわゆる「法定休日」。法定休日に労働させることは基本的に不可能。
- 「週休2日制」とは、「月1回以上週に2日の休みがある」事を指す。よって「月1回だけ週休2日で後は週休1日」でも一応「週休2日制」を謳うことができる。汚いなさすがブラック企業きたない。
- 「完全週休2日制」とは「必ず毎週2日の休みがある」事を指す(必ずしも土日が休みというわけではない＝月～金に休日が設定されていることもある)。紛らわしい用語を作ってしまったものだ。嗚呼。
休日に関する労働基準法
人間にとって、休むことは決して欠かしてはならない大事なことです。どこぞのワ〇ミではありませんが「24時間365日死ぬまで働け」といったところでそんなことできるわけがありませんね。徹夜したら仕事の効率は確実に下がります。眠気をこらえながら仕事をしてもどこかで限界が来て居眠りをしますし、眠気をこらえたまま車の運転でもしたら居眠り運転で事故を起こしてしまいます。居眠り運転による事故を防ぐ手段はただ一つ、「眠い時は運転しないできちんと寝る」ことです。
仕事にしたって同じです。疲れを解消せずに集中力や事故回避能力が落ちている状態で仕事をするのは事故のもとです。事故を回避するためには体調を万全にしなければなりません。そして、体調を万全にするためには休むことが必要不可欠です。機械だって時々メンテナンスで停止しますが、あれも故障や事故を防ぐためには必要不可欠なダウンタイムです。人間だってきちんと休むことが病気や怪我を防ぐことにつながります。
前置きが長くなりましたが、とにかく休むことは人間にとって必要不可欠なことです。なので労働基準法にも休日についての規定があり、そちらで最低限の休日(法定休日・週1日)を定めています。
第三十五条 使用者は、労働者に対して、毎週少くとも一回の休日を与えなければならない。
○２ 前項の規定は、四週間を通じ四日以上の休日を与える使用者については適用しない。 労働基準法
労働基準法第三十五条の規定により、使用者(雇用主)は労働者に対して最低でも週1日(または4週間で4日)の休日を与える義務が発生します。これがいわゆる「法定休日」です。
「週休2日制」と「完全週休2日制」
一方で、忘れられがちかもしれませんが労働基準法はあくまでも「最低限度の労働条件」を定めた(これ以上劣悪な条件で働かせるのはダメ!!という線引きをする)法律なので、労働基準法を理由として労働条件を悪化させることは許されず、また労働条件の改善に努めなければならないことも労働基準法第一条で定められています。
第一条 労働条件は、労働者が人たるに値する生活を営むための必要を充たすべきものでなければならない。
○２ この法律で定める労働条件の基準は最低のものであるから、労働関係の当事者は、この基準を理由として労働条件を低下させてはならないことはもとより、その向上を図るように努めなければならない。 労働基準法
休日についても、法定休日(週1日)にとどまらず、できれば増やすべきものになります(そもそも1日8時間労働させると8時間×5日＝40時間(1週間の労働時間の上限)なので、サブロク協定がなければ自動的に完全週休2日になるのですが)。法定休日以外に休日を加えると、「週休2日制」または「完全週休2日制」などになっていきます。
冒頭でも述べましたが、「月1回以上必ず週2日の休みがある」ようにすれば「週休2日制」です。これは4週4日(法定休日)に休みを1日足せば簡単にできます。月に1回週2日の休みがあれば「週休2日制」を謳うことができるので、月1回だけ週休2日で残りの週が週休1日でも「週休2日制」。いわば「不完全週休2日制」です。何かの拍子に「不完全」が省略されて単に「週休2日制」になったのではないかと(私が勝手に)考えています。
一方、「完全週休2日制」は「どの週も必ず2日の休みがある」事を指します。4週4日(法定休日)に休みを4日足すことになります。サブロク協定無しで労働者を1日8時間労働させたら、まず間違いなく自動的に完全週休2日制になるはずです。1日8時間労働の職場で完全週休2日制になっていない場合は、一度サブロク協定の存在(中身)を確認することを強くおすすめします。
参考サイト
