教えることをこれ以上増やすというのなら、小学校でも「教科担任制」を導入すべきだと考える。一人のクラス担任が全教科を教える現在のシステムには無理があるのではないか。

次の学習指導要領の改訂で、小学校では「英語」が正式な教科になるようです。英語以外でも、教える内容はどうやら増えるらしく、それに伴って授業時間数も増えるようです。さて、小学校では一人のクラス担任が全教科を教えていますが、教える内容を増やすのであれば、小学校でも「教科担任制」を導入すべきではないでしょうか。このままでは、全教科を完璧に教えられる完璧超人しか小学校の教員になれなくなるのかもしれません。

小学校で教える内容は(中学高校よりも)簡単なものではあるかもしれないが、それでも全教科を一人で教えるのは流石に無理がある。小学校でも「教科担任制」を導入すべきでは?

  • 一人のクラス担任が全教科を教える場合、一人の教員が全教科をきちんと教えられる必要がある。しかし、教える内容が増えれば、当然一人の教員に掛かる負荷が増える。また、誰だって苦手なことの一つや二つはある。先生とて例外ではない。一人の教員の力量が全教科の授業の質を左右する現行のシステムは流石に無理があるのでは?
  • 「教科担任制」を導入すれば、自分の得意な分野を専門に教えるのが先生の仕事になる。教員の専門性も高まり、教育の質も良くなるはずだ。小学校の教科指導も、そろそろ分業が必要な時期ではなかろうか。

小学校では、一人の先生が全教科を教えなければならない。いくら内容が簡単(そうに見えている)とはいえ、全教科の基礎工事を一人でするのは流石に無茶苦茶では?

さて、次の学習指導要領の改訂で、小学校では「英語」が正式な教科になり、英語以外の分野でも教える内容が増加する模様です(資料PDF)。現在の小学校では、一人のクラス担任が全ての教科を教えています。中学高校で扱うものよりは内容が簡単かもしれませんが、小学校は学習のスタート地点です。ビルの建設に例えるならば、「基礎工事」にあたるでしょう。

いくら上に建てるものが立派でも、基礎がガタガタでは建物の耐久性と安定性には疑問符を付けざるをえないでしょう。また、誰にだって苦手なことの一つや二つはあるはずです。あらゆる全てのことをそつなくこなせる完璧超人がこの世界にどれくらいいるのでしょうか。私とて英語や古文は珍文漢文ちんぷんかんぷんですし、体育に至っては殺意を覚えるほど苦手かつ嫌いな科目です。全教科を一人で教えるということは、子どもたちにとってはある時期に受けるほぼ全ての授業の質が一人の教員の力量に左右されるわけです。これはなかなかのハイリスクです。

教える側にだって得意なことと苦手なことがあります。そうであるならば、教科指導はきちんと分業し、教える側は得意分野で実力を最大限発揮するべきです。そうすれば、教育を受ける側はどの教科でも室の良い授業をうけることが出来ます。また、教える側としても得意分野に特化できるので、苦手な分野があってもその影響を最小化出来ます。これが「教科担任制」です。

中学高校では、「教科担任制」が導入されています。これにより、難しい内容でもそれなりにきちんと教えることが出来ますし、一つのクラスに複数の先生が入るようになるため、子供の側からすると「この担任は合わないな」と思った時でも、担任以外の教科担任という「逃げ場」ができます。これによって救われた経験がある方もいるかもしれません。

これまでは、小学校で「教科担任制」は導入されていないか、されていても限定的(音楽だけ専任の教員がいる、体育だけ別のクラスの教員が教える、など)であったと思われます。しかし、ただでさえ一人で全教科を教えているところに今回の学習指導要領改訂でさらに教える内容が増えるともなれば、そろそろ小学校でも「教科担任制」の全面導入に舵を切るべきではないかと考えます。

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