労基法を無視する企業があるならば、それに対抗できる労働者を育成しなければならない。道徳の授業を潰してでも労基法やブラック企業と戦う方法を教える必要はあるのではないか。
投稿日:2016年12月06日
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もくじ
- ルールを破る会社がある限り、戦い方(援軍の呼び方・逃げ方)を教えなければ労働者を守ることは出来ない
- 子どもにも大人にも、労働基準法とブラック企業への対処法を浸透させなければならない
ルールを破る会社がある限り、戦い方(援軍の呼び方・逃げ方)を教えなければ労働者を守ることは出来ない
理論上は、他人に攻撃を仕掛ける人が1人もいなければ戦争は起きませんし、道路交通法を守らない人が1人もいなければ交通事故は起きません。しかし現実には、今なお戦争はどこかで続いていますし、交通事故も毎日のように何処かで発生しています。無法者がいる限り、非武装でルールを守っていてもボコボコにされる可能性は否定できません。
これは労働市場でも同じです。すべての企業が労働基準法を遵守していれば、「過労死」などという単語は存在しなかったはずですし、就活で「この企業はちゃんと労基法を守っているだろうか」という不安を抱く必要も無かったはずです。しかし現実には労働基準法を守らない企業(⇒ブラック企業)は相変わらず生きながらえて労働者を苦しめています。
何もせずにブラック企業を完全になくし、自然発生も封じ込めることはおそらく不可能でしょう。しかし、ブラック企業の存在を許す訳にはいきません。労働者が非武装なままではブラック企業の食い物にされてしまいますから、労働者にはブラック企業から身を守るための盾と、ブラック企業から自分の権利を取り戻すための剣(と援軍召喚魔法)を持たせ、その使い方をキチンと教える必要があるのです。
全ての労働者(及びその候補)に教えなければならないことは、
- 労働条件の概要と最新の労働条件に関する規定を確認する方法
- ブラック企業への対処法
- 労働基準監督署の使い方
- 労働組合の使い方
- 弁護士の使い方
- その他
- 労働基準法・その他労働法規が制定された目的
子どもにも大人にも、労働基準法とブラック企業への対処法を浸透させなければならない
日本においては、赤ん坊は成長したら(学齢期になったら)小中学校に通い、その後多くの人は高校に、そして一部は大学などに進学し、これらの学校を卒業してから就職します。もちろん在学中にアルバイトをする人もいますが、大抵の人は学校を卒業し、社会(労働市場)へと送り出されます。未来の労働者を守るためには、学校にいる段階でブラック企業との戦い方を学ばせ、対ブラック企業用の盾と剣を持たせる必要があります。
とはいえ、ブラック企業との戦い方を学び武器を装備する場となる学校が劣悪な環境ではどうしようもありません。子どもたちにとって、家族以外で身近な大人としてあげられるのは教員です。2016年現在、日本の教員の労働環境はかなり劣悪ですが、これを改善し、「良い労働環境で働く大人」の姿を見せる必要があるでしょう。
もちろん子どもたちの負荷もあまり増えてしまうと子どもたちが潰れますから、完全週休二日制は(労働基準法との整合性を保つためにも)維持したいところです。ブラック企業対策の時間を増やすためには、何かを削る必要があります(時間は有限ですから)。例えば「道徳」の授業を削り、生まれた空きコマに「労働法(ブラック企業との戦い方)」の授業を組み込めば、子どもたちに対して「法律は誰もが守らねばならない」「ブラック企業に屈する必要はない」ことを教えることが出来、ブラック企業の食い物にされない大人を育てることが出来るはずです。
また、既に学校を卒業した大人にも、ブラック企業との戦い方は教える必要があるでしょう。また、「俺は苦労したんだからお前らも苦労しろ」という謎理論を撲滅することも必要です。CMやネット広告等でブラック企業との戦い方や「俺は苦労したんだからお前らも苦労しろ」という謎理論の害悪性などをガンガン宣伝し、ブラック企業に屈しない労働者を増やすべきではないでしょうか。
参考リンク