休養日の設定はブラック部活緩和への一歩。だが、土日など学校が休みになる日に休養日が設定されなければ生徒は毎日登校することになる。まだまだ道は長いか。
投稿日:2017年02月01日
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もくじ
- 土日などに休養日が設定されなければ、結局生徒は毎日登校することになる。これでは「休日」ができない
- 人間なら誰しも休みは必要不可欠。教員にも生徒にも、学校以外の世界へアクセスする時間が確保されて然るべきだ
土日などに休養日が設定されなければ、結局生徒は毎日登校することになる。これでは「休日」ができない
冒頭で取り上げた記事によると、各種スポーツの強豪校でも部活動に休養日が設定するところが増えてきています。確かに週1日でも休養日が設定されれば生徒の負担は減少し、体を壊すリスクも低減されるでしょう。未だ精神論・根性論が渦巻き部員を休ませないような部活もあることを思えば、休養日が設定されたことはブラック部活緩和への重要な一歩であるといえるでしょう。
しかし、休養日の実態については手放しで褒められるものではありません。例えば福岡大大濠高校野球部は原則として週1日、月曜日を休養日としています。が、普通に考えれば月曜日には授業があります。大学生ならもしかしたら月曜日の授業を回避できるかもしれませんが、全日制高校でそんなことをすれば確実に出席日数が不足して留年です。よって、月曜日はきちんと授業を受けに登校する必要があります。
授業がないであろう土日祝日には部活動があり、部活動がない月曜日には授業があるので、結局生徒は週7日登校することになります。これでは休む暇など無いというより他にありません。福岡大大濠高校に限らず、休養日を平日のみに設けて「うちではちゃんと休養日を設けています」と主張する部活がある学校は存在するでしょう。
人間なら誰しも休みは必要不可欠。生徒にも教員にも、学校以外の世界へアクセスする時間が確保されて然るべきだ
ごく当たり前のことですが、人間が健康的に活動を続けるためには、休むことが必要不可欠です。頭を使っても体を動かしても疲れますから、人間には「頭を使うことも体を動かすことも強制されない時間」がきちんと確保される必要があります。さもなくば過労で死にます。
そして、「頭を使うことも体を動かすことも強制されない時間」は断片的に与えられるだけではダメです。定期的に(できれば毎週)まとまった時間(最低24~48時間以上)与えられる必要があります。だからこそ労働基準法でも労働者に週1日以上の「頭を使うことも体を動かすことも強制されない時間」を与えることが定められているのです。…ここまで言えばもう分かるでしょう。まとまった「頭を使うことも体を動かすことも強制されない時間」はつまり「休日」です。
「休日」がきちんとあるからこそ、人間は健康的に活動を継続できます。また、「休日」があるからこそ、人間は趣味や娯楽をエンジョイすることができ、人生を豊かにすることができます。これは小学生であろうと働き盛りの人間であろうと高齢者であろうと変わりありません。
よって、学校においても、生徒と教員の双方にきちんとした休日が確保される必要があります。休日がなければ、生徒も教員も家と学校を往復するだけの日々を延々繰り返すことになってしまい、外の世界と触れ合うことができません。生徒と教員が健康的な生活を送るためにも、生徒と教員が学校以外の世界へアクセスする時間を確保するためにも、不完全な「休養日」のみならず、完全な「休日」が必要なのです。
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