ブラック企業問題と強制部活問題は関連性があるのではないか?
投稿日:2016年01月23日
最終更新日:
部活動の加入強制はブラック企業への順応教育である
- 部活動への加入を強制することは、生徒の時間的自由を侵害し、本来自主的な(つまり堂々と断って何ら問題ない)活動を(生徒教師の意に反して)強制している。つまり強要罪。
- 任意活動の強制が当たり前であることを学校で存分に刷り込んだ結果、これまでは労働基準法違反が横行しても大きな問題として知られることはなかった。学校による部活動の強制はブラック企業順応教育にほかならない。部活の強制とブラック企業は少なからず関係性があると思われる。
- 数々の法律違反を犯してでも維持しなければならない慣習というのは何なのか。慣習様は法律より偉いというのか。断じてそんなはずはない。古くからの慣習でも法律違反ならばそれは改めなければならないはずである。部活問題も同じ。
刷り込みは恐ろしい
日本の学校では、法律違反な慣習が今なお横行し、警察の介入を許さず、さながら治外法権区域の世紀末な戦場となってしまっています。部活動もそうです。加入を強制している地点ですでに明白な法律違反というか犯罪です。部活動は正規の教育課程ではないので、やってもやらなくてもどっちでもいいんです。日本国に本拠地を置くどの学校でもそうです。部活動に加入しないことは堂々と認められることなのです。日本の何処でも。
それなのに部活動への加入を義務付けるけしからん学校がまれに良くあります。聞くところでは岩手県では殆どの学校が部活動への加入を義務付けているとか。しかし、本来部活動は「自主的に」行われるものであり、加入する義務は一切ありません。部活なんてしたくない生徒だって当然います。私も部活動は生涯一度もやったことはありません。人間関係のしがらみが、恐ろしいほどの時間の拘束が、部活加入に二の足を踏ませました。幸い学校側が部活加入を強制するシステムではなかったので命拾いしました。もし部活加入を強制してきたら、完全に絶望です。
さて、労働基準法も基本的人権も何も知らない子供に「自主的に行われる活動=必ず参加する義務がある活動」、「休日なし=世間の常識」の2つを部活動で刷り込んだら果たしてどうなるか。最悪の場合、彼らはブラック企業の常識を世間の常識と思い込み、ブラック企業の構成員として、ヘタすれば死ぬまで強制労働に従事することになります。子供のうちの刷り込みは恐ろしいです。いくら何でもこれはひどい
どんなに伝統ある慣習でも、法律違反ならばそれはきちんと改める必要がある
日本において、伝統と慣習だけで続いてきたことは結構あると思います。しかし、どんなに古くからの伝統であろうとも、それが法律違反であるのならば、それはきちんと改める必要があるでしょう。例えば毎年村人のうちの一人を殺す伝統があったとして、それが現代で認められるかという問題です。答えはもちろんNoです。立派な殺人罪ですから。部活問題もブラック企業もそれは同じだと思います。強要罪を犯したり自由権を侵害したり労働基準法を破ったりしているわけですから。
これまで長く続いた慣習を変えようとすると、大抵は慣習維持派の抵抗にあい、慣習の変更が頓挫することはよくあります。しかし、その慣習が法律違反ならば、それを緒に慣習を変更することは可能になります。日本国が法治国家である以上、慣習も法律には勝てません。もし慣習が法律に勝てば、それは法の支配ではなく慣習の支配になり、法治国家ではなくなります。長く続いた慣習といえども、法律違反ならばそれは改めなければならないのです。
これまでの企業の慣習の中でも労働基準法違反な箇所はありますがそれらはきちんと労働基準法を遵守するように改める必要があります。部活問題も、加入義務付けは強要罪になるので直ちに廃止する必要がありますし、際限なき活動時間の拡張も文科省の指針に沿った形に改める必要があるでしょう。無論、部活の顧問教師の労働形態も労働基準法を順守するように改める必要があるのはもはや言うまでもありません。部活動を学校から切り離して再編することも検討すべきです。