IMFにまで「賃金が低すぎる」と言われる日本の企業。賃金が上がらなければデフレ脱却など出来るわけがない。やはり最低賃金の大幅アップが必要だ。

未だに最低賃金が生活賃金となっていない日本ですが、IMFも日本の企業が賃金を抑えていることを懸念しているようです。賃金が上がらなければ使えるお金も増えませんから、デフレ脱却も出来ませんし景気も良くなりません。労働者の生活を守るためにも、最低賃金を大幅アップして日本全体の賃金水準を強制的に引き上げる必要があるのかもしれません。

企業が賃金をケチり続ける限り、労働者も財布の紐をきつく締めざるを得なくなる。最低賃金の大幅アップで日本全体の賃金水準を強制的に引き上げ、悪循環を脱出するのも一つの手か。

  • いくら企業が利益を上げようとも、それが労働者に還元されなければ労働者は財布の紐を緩めることが出来ず、生活水準も向上しない。これではデフレ脱却も出来ないし、労働者がお金を使えないからものも売れない。当然、企業も成長しない。給料が上がらなければ、経済成長などするわけがないのだ。
  • IMFに心配されるほど企業が賃金をケチる国が日本だが、確かに1社だけが賃上げしても経済全体への効果が僅かなのは事実だろう。多くの会社が一斉に賃上げし、労働者がみんなで一斉にお金を使えるようにならなければ本格的な景気回復効果は出ないかもしれない。ならば、最低賃金を大幅アップし、日本全体の賃金水準を強制的に引き上げるという手段もあるのではないか。労働基準法違反の徹底的な取り締まりと合わせて行えば、結構な効果があるはずだ。

お金は経済の血液である。血液には体の隅々まで循環してもらわねばならない。血液が流れて来ないままでは、次の場所に血液を流すことも出来ない。

「お金は経済の血液である」とはよく言ったものですが、血液が体の隅々まできちんと循環しなければ、経済という人体は正常に機能しなくなってしまいます。また、持っていないお金は使えませんし、有りもしない血液を流すことも出来ません。きちんとお金が流れて来なければ、消費という形でお金を次の場所へと流すことも出来ないのです、

誰もお金を積極的に使わなくなってしまったら、発生するのはデフレです。みんなが財布の紐を固く締めているわけですから、値段が高い物は売れません。こうして地獄の値下げ競争が始まります。消費者側もはじめのうち(自分の給料に影響が出ていない間)は「物価が下がったぜヒャッホイ」となりますが、そのうちに企業が人件費をケチり始め、給料が下がります。

労働者(=消費者)が使用できるお金が減り、財布の紐はますます固く締まるようになります。購買意欲ダウン→物価ダウン→給料ダウン→購買意欲ダウン→物価ダウン→給料ダウン→(以下デフレ脱却に成功するまで無限ループ)というろくでもない流れが完成します。これを人はデフレ・スパイラルと呼びます。

デフレ・スパイラルが続くと労働者の生活も苦しくなりますが、企業も売上げが伸び悩み、結局苦しむことになります。コスト削減で利益を確保しようとしても、人件費の切り詰めを行ってさらなる売上げの低下を招くことも多々あります。みんながお金を使わなければ経済成長はしませんし、お金を使えるようになるためには賃上げが必要不可欠です。

「みんなで一斉に賃上げをするのが難しい」ならば、最低賃金の大幅アップで強制的に賃上げさせるのも一案か。労働基準法違反の徹底的な取り締まりと合わせて行えばそれなりに効果が出るだろう。

日本の企業が賃金をケチっていることについては、IMFも心配しているようです。

国際通貨基金(IMF)のルーク・エバアート氏は29日、IMFは日本の賃金が低すぎることを懸念していると述べた。

エバアート氏は、「我々は企業の資金が増えているのを背景に日本の賃金が低下しているのを懸念している。状態は悪化しすぎた。現在、労働条件は雇用主にとってあまりにも有利で柔軟だ」と指摘した。

IMF:日本の賃金は低すぎる

IMFにまで賃金の低下を懸念されるのが、GDP世界3位である日本の実態です。社会保障や国際競争力などを維持するためには経済成長が必要不可欠ですが、日本経済が停滞していることについては、もはや言うまでもありません。バブル崩壊以来の「失われた20年」と言われる経済の低迷は相変わらずですし、アベノミクスの効果を実感している人も多いとはいえないでしょう。このままでは「失われた30年」となる恐れもあります。

経済成長・景気回復のためには賃上げが必要です。しかし、1社だけが賃上げを行っても大した効果は期待できないのもまた事実です。「みんなで一斉に賃上げしないと大きな効果が期待できない」状況下では、どの企業も先陣を切って賃上げに踏み切りたくはない(みんなと同じか少し遅いタイミングで賃上げしたい)と思うのもある意味当然です。

ここはコスト削減で従業員や下請けを苦しめてきた大手企業に罪滅ぼしの意味も込めて大幅な賃上げ(と下請けに対する配慮)をしていただきたいものですが、最低賃金の大幅アップによって賃金水準を強制的に引き上げるという手段も考えられます。強硬策かもしれませんが、法的に「最低でもこれくらいは給料を出せ」という縛りをかけるわけですから、それなりに効果は出るでしょう。むしろ出ないと困ります。

また、同時に労働基準法違反の取り締まりを大強化し、それこそ3分間の残業代をちょろまかしたレベルでも厳しい指導勧告を入れ、労働基準法違反が絶対に発生しない環境を作らなければなりません。(以下私のツイート)

最低賃金の大幅アップと労働基準法違反の徹底した取り締まりを同時に行えば、それなりに効果が出るはずです。賃金水準の向上とサービス残業の撲滅、名ばかり管理監督者(名ばかり管理職)問題の撲滅、その他ありとあらゆる労働基準法違反に起因する労働環境の悪化の一掃がなされるわけですから、効果が出ないわけがありません。最後は共和制ローマの政治家大カトーとロシアのプーチン大統領の名言で締めたいと思います。

  • ブラック企業滅ぶべし (大カトー 一部改変)
  • (労働基準法違反のブラック企業に対して)たとえ便所に隠れていても息の根を止めてやる (プーチン大統領)

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