ルールがあっても、罰則がなければ破る野郎は出てきてしまう。公益通報者保護法の欠陥を直ちに補修し、内部告発を行った人が不利益を受けないシステムにするべきだ。

組織の外部からでは、すべての不正を見抜くことは極めて難しいと言えます。不正を正し公正な社会を維持するためには、どうしても内部告発(公益通報)が必要です。しかし、現在日本にある「公益通報者保護法」には欠陥があり、告発者が報復を受けることも多々あります。法の欠陥を直ちに補修し、内部告発を行った人が不利益を受けないシステムを作らなければならないと考えます。

もくじ

  • 「公益通報者保護法」の欠陥が内部告発を妨げ、不正が放置される原因となる
  • 公正な社会のためには、告発者を完璧に保護するシステムが必要。安心して組織の不正を告発できるシステムの早急な整備を!

「公益通報者保護法」の欠陥が内部告発を妨げ、不正が放置される原因となる

「内部告発」(公益通報)では組織内部で行われている不正を告発するわけですが、もし告発したことがバレた日には組織から恨まれ、報復を食らう可能性が非常に高いと言えます。そのため2006年には「公益通報者保護法」が施行され、内部告発者を解雇や減給などの不利益な扱いから保護することになりました。しかし2016年現在、公益通報者保護法には罰則の規定がありません。

いかにルールが整備されていても、破ったときの処分(不利益)が何もないというのでは、悪人は誰はばかることなくルールを破るに決まっています。ルールを確実に守らせるためには、ルールが守れるものであることと同時に、ルール違反の人を確実に(冤罪を出さずに)見つけ出すシステムと、ルールを破ることによって得られる利益を相殺してなお余りあるほど重い罰則が必要です。

罰則規定がないのでは、企業に公益通報者保護法を守らせることは難しいといえるでしょう。罰則規定を実装しなかったことは大いなる欠陥です。また、内部告発は「ルール違反の人を確実に(冤罪を出さずに)見つけ出す」上で大変重要なものです。「ルールを守らせる」上で必要不可欠なもの、「ルールを守らせるシステム」の構成要素と言っても差し支えありません。

「ルールを守らせるシステム」の中にある「内部告発者を守るシステム」に欠陥があるままでは、人々は内部告発に踏み切ることができなくなってしまうでしょう。その結果として企業などの不正が放置され、公正な社会や競争環境を維持することができなくなってしまいます。

公正な社会のためには、告発者を完璧に保護するシステムが必要。安心して組織の不正を告発できるシステムの早急な整備を!

公正な社会や競争環境を維持するためには、不正をすぐに見つけ出して確実に始末するシステムが必要です。そして不正をすぐに見つけ出すためには、内部告発を行っても不利益な取り扱いを受けず、内部告発者を完璧に保護するシステムを用意する必要があります。内部告発者の身の安全を国家権力でしっかりガードし、不正についてしっかり調べられるシステムが整わなければ、一般人が内部告発に踏み切ることは極めて難しいです。

最近になって、公益通報者保護法による保護対象に「役員」と「退職者」を加えようという話が出てきました。これは大変喜ばしいことです。また、報復を行った事業者に「行政措置」をとれるようにする制度も消費者庁の有識者検討会から提言されました。

しかし、罰則規定があっても、ルールを破ることによって得られる利益を相殺できる(そしてなお余りある)くらい重い罰則でなければ、完全な抑止力にはなりません。労働基準法も守られないことに定評があるルールとなってしまいましたが、罰則(刑事罰)は最高でも「10年以下の懲役または300万円以下の罰金」(労働基準法第5条…労働者の意に反して強制的に労働させることの禁止)と、重いとはいえないものです。何も労基法違反の罰則を死刑にしろとはいいませんが、強制労働に従事させた場合については終身刑、残業代のちょろまかしや休日を与えなかった場合は罰金1000億円または懲役50年(+記録がある限り全てのちょろまかした残業代などの3倍を賠償する義務)くらい重い罰を課さなければ、完全な抑止力にはならないのではないでしょうか。

公益通報者保護法についても、内部告発者に不利益な取扱を行うことや告発された不正によって得られる利益を上回る罰則を用意しなければ、完全な抑止力にはならないのではないでしょうか。公正な社会や競争環境を維持するためにも、内部告発者の身の安全や生活をしっかり守り、不正を行った企業をきちんと罰することができるシステムを整備することが急務です。

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