インターネット環境はもはや生活に欠かせないライフラインと化している。インターネットが電気や水道と同じ扱いになる日はすぐ目の前だと思う。

政府からの「(ライトユーザーの)スマホ利用料金を値下げせよ」という声を受け、もはやカルテルでもしてるんじゃないかとも思える大手3社は、新しい料金プランを打ち出しましたが…3キャリアから出揃った“ライトユーザー向けプラン”を整理する – ケータイ Watch

インターネット環境は現代を生きる上での活動基盤となっている。インターネット利用料金は、政府が決める公共料金ではないが、競争ある公共料金的な性格はあるかもしれない。

  • 大手3社が示した新プランは、「月間データ通信量1GBで月額4,900円」とか「データ通信量5GBを家族でシェアして家庭全体の料金は低減」とか。…えーと、そんな料金プランは誰が使うのでしょうか。私ワケがワカランでございます。
  • インターネットは生活に欠かせないライフラインとなってきている。今やインターネットはテレビや新聞を代替可能な情報の入手源。買い物もネット通販。銀行もリアル店舗なし(コンビニのATMで入出金+インターネット経由で振り込みや各種申請を行う)のところが出てきた。塾の講義の動画配信に、あるいは学校教育でも、インターネットが必要になってきている。就職活動だってインターネットで情報収集を行う。インターネットは生活に必要不可欠なライフラインとなった。
  • インターネットは電気や水道のような、生活に必要不可欠なライフラインである。居住地域による情報格差は是正しなければならない。大手3社の新しいスマホ料金プランには思うところもあるが、やはりインターネットは日本全国で不自由なく使えるべきだと思う。利用料金も、きちんと国民みんながインターネットにアクセスできるよう、それなりの配慮を持って設定する必要が出てくるだろう(競争は阻害しないように)。

月1GBで5,000円。なんという誰得プラン。顧客が本当に必要だったものはどこに?

確かに、「ライトユーザー=データ通信量が少ないユーザー」という視点で行けば、「データ通信量を絞る代わりに料金を下げる」という発想になります。しかし、「携帯の”ライトユーザー”とはどんなユーザーなのか」←の記事を見ていただければわかりますが、はじめてスマホを契約するときに、自分が月にどれくらいのデータ量を使うのかを把握している人がどれくらいいるのかという話です。例えばメールチェックだけやっていれば、月1GBだってある意味オーバースペックと言えるでしょう。しかし、YouTubeなどを使い出したり、Lineを使い出したり、ソーシャルゲームを始めたりしたら、データ通信量は激増し、月1GBでは到底足りなくなります(ヘビーに使ってもデータ通信量をセーブできるユーザーは、ある程度上級スキルを持ち合わせているユーザーになります。そして、彼らはMVNOへ移住する場合が多々あると思われます)。ライトユーザーは、いつデータ通信使用量が激増してもおかしくないユーザーです。

スマホのユーザーを私の独断と偏見で分類すると、

  • ライトユーザー(低スキル)…データ通信量は(現在は)低めに推移するが、いつ激増するかはわからない。実際の使用量よりもずっとたくさん使える(高い)プランを契約することもあり、その場合はキャリアにとって最大級のありがたいお客様となる。
  • ライトユーザー(高スキル)…データ通信量は低めに推移し、自分がどれくらいの通信枠を必要としているかをきちんと把握している。身の丈にあったプランを選択できるし、一部はMVNOへ移住することもある。キャリアにとっては利用料金は取れないしいつ逃げ出してもおかしくないしで厄介な客。
  • ヘビーユーザー(低スキル)…データ通信量は高めに推移し、節約する術は知らない。自分でスマホの設定を管理する自信もなく、MVNOへの移住はできない。大手キャリアにとどまり、高い利用料を支払い続ける。キャリアにとっては、通信量(つまり自社に割り当てられた電波帯域)を食い潰す厄介な存在ではあるが、同時に高い利用料金を取れるため、決して無下にはできない。
  • ヘビーユーザー(高スキル)…データ通信量は高めに推移する(こともある)が、どうすればデータ通信量を節約しながら使えるかも熟知している。工夫を重ねた結果、たくさん使いながらも実はそんなにモバイル通信枠を使っていない場合もある。当然自分がどれくらいの通信枠を必要とするかも知っているし、MVNOへの移住も選択肢に入る。キャリアからしてみれば、いつ逃げ出すかわからない厄介な客。
…だいぶ個人の感想がはいってしまいましたが、こんな感じで分類されるのではないでしょうか。で、今回の謎料金プランは、金のなる木たるライトユーザー(低スキル)を手放さないようにしつつ政府から文句をつけられないようにするための、妥協の産物なのではないかと思います。「顧客が本当に必要だったもの」は、おそらく「現行プランの大幅値下げ・2年縛りの完全廃止」だと思います。

生活に必要不可欠なライフラインとしてのインターネットを考えると、今後あるべきインターネットの姿が少しだけ見えてくるかもしれない

インターネットは、もう生活に必要不可欠なライフラインになってきていると思います。学校でもインターネットを利用した授業が増え、塾の講義もインターネット経由で配信される時代。就職活動に必要な情報収集も、インターネットが主戦場の一つ。また、ネット通販ならば、ある程度時間的地理的制約を無視して様々な買い物ができるため、その恩恵は計り知れないものがあります。何か情報を得るにしても、テレビや新聞とは異なり、任意のタイミングで任意の情報を得られるインターネットは必要不可欠です。年老いても、ネット通販が使えれば、宅配サービスが機能する限りは、(たとえ免許がなくても)買い物難民にならずに済みます。

そう考えていくと、インターネット環境は、地域を問わず、日本全国できちんと使えるように整備しなければならない、比較的新しいライフラインの一種であると考えられます。ライフライン空白地域(と居住地域による情報格差)は、できるだけ無くす必要があります。なので、スマホのデータ通信は、ライフラインとして考えることもできると思います。国民の情報へのアクセスを保証する、新しいライフラインです。スマホ利用料は、ある種の公共料金的性格を帯びているとも考えられます。

今後のインターネットのあり方には、難しい問題が横たわっているのも確かです。スマホ利用料一つとっても、さあ日本全国で高速データ通信を使えるようにしましょうと言っても「日本全国で高速データ通信を使えるようなインフラ整備は必要だが、そのために大手3社に補助金を出して競争環境を歪めるのはどうなのよ」という問題が潜んでいます。対処としては、もういっそのこと現在の大手3社を「回線設備保有会社」と「サービス提供会社」に分割するという手もあります。こうすれば、日本全国で高速データ通信を利用できる環境を整備しつつ、健全な競争も維持できます。

少々話がそれたところもありましたが、やはりインターネットは生活に必要なライフラインです。生活保護を受けていても、インターネットは使えるようであって欲しいと思います。就職活動にもインターネットを使う時代ですから。そして、スマホ利用料金問題も、日本全国で高速データ通信を利用可能な環境を作りつつ、利用者が納得できるようなところにうまく着地して欲しいと思います。

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