学校が労働基準法を遵守しないと、子どもたちが「労働基準法は守られないのが当たり前」という誤った認識を持ってしまうかもしれない

なんだかんだ言っても、教師は生徒に対してそれなりの影響力を持っています。そんな教師が労働基準法違反な働き方をしていたら、子どもたちは「労働基準法は守られないのが普通なのか」と思ってしまうかもしれません。これではブラック企業がなくならないわけです。

学校ではきちんと労働基準法を守ることを教えないといけない

  • 学校は(悪く言えば)子どもたちを洗脳出来るだけの力を持っている。現在の教師の労働環境から見ると、学校(ひいては国家)はブラック企業戦士を養成しようとしているのかと疑いたくなる。
  • 教師の労働条件を改善し、子どもたちにきちんと「労働基準法は守られなければならない法である」という認識を持たせなければならない。嫉妬と足の引っ張り合いでは何も改善されないと思われる。労働基準法(に限らず法律)はキチンと守らなければならないし、守られなければならない。ゆえにブラック企業は滅ぼされるべきである。

世界的にも働き過ぎな日本の教師…給特法第六条より「超勤四項目」を除けば必ず定時に帰れるはずなのに?

現在の教師の労働環境は、はっきり言って劣悪だと思います。日本の教師、世界的にも長時間労働「意味あるのか?」という仕事も 〈AERA〉|dot.ドット 朝日新聞出版でも触れられていますが、日本の教師の1週間あたりの平均勤務時間が53.9時間(週13.9時間の残業・週5日勤務なら1日あたり2時間半以上の残業)なのだそうです。OECD実施の「国際教員指導環境調査」に参加した34カ国・地域の平均の38.3時間と比べると長すぎますし、労働基準法第三十二条でも週40時間以上の労働を禁止しています(残業はサブロク協定を締結していなければさせられません)。おまけに「公立の義務教育諸学校等の教育職員の給与等に関する特別措置法」(給特法とも)によって、教師には残業代が一銭たりとも支払われないのです。

1966(昭和41)年に行われた1966年度の教員勤務実態調査から、教員の月あたり残業時間が平均8時間であるという調査結果が出ました。そこから「教職調整額」(教員については月給を4%(=8時間分の残業代)上乗せ)が制定され、同時に残業代が支給されなくなりました(よって、給特法(昭和47年(1972年)1月1日施行)は「(教員限定)残業代定額法」と見ることもできます)。(資料PDF)しかし、現在の残業時間からしてみれば「4%」はあまりにも少ないです。全然残業代になってない。給特法を知らない人にしてみれば明らかに「残業代不払い」であり、これすなわち「労働基準法違反」です。

残業代が支払われていないことも当然大問題ですが、残業が多すぎることそのものも(もっと言えば残業がある事自体が)問題です。給特法は確かに「残業代定額法」ではありますが、同時に「原則として教師に残業を命じてはいけない」ということも給特法第六条で定めています(つまり教師は原則として定時に帰れる)。教師に残業を命じることができる例外がいわゆる「超勤四項目」です。解説は面倒なのでこちら(当ブログ別記事)または部活問題 – ニコニコ大百科を見るか、もしくは各自ググって下さい。まあ、教師でなくとも残業が多すぎることは問題なのですが。働き過ぎは体に悪いです。過労死という言葉でも表されているとおり、働き過ぎで死ぬ人だっているんです。私は週(最大)40時間労働の原則の遵守を渇望します。労働時間が短縮できるならなお良いです。

労働基準法は守られなければならない

また、長時間労働で教師を疲弊させたら、影響を受けるのは子どもたちです。疲れている状態で良い授業ができるはずがありません。子どもたちに質の高い教育を受けさせるためには、質の高い教師が求められますが、それを確保するためには教師の労働条件の改善が必須です。教師の仕事内容は授業を教えることのみならず、部活の面倒を見たり事務作業をしたり保護者対応をしたり。忙しすぎです。仕事に配分できるリソースの総量には上限がありますから、教師が授業に集中できるようにするため、余計な仕事は切り離すべきでしょう。

ともあれ、労働環境を改善するためには、労働基準法の遵守は当たり前です。労働環境に恵まれた労働者に対して「あいつだけいい思いをしやがって!!ホワイト企業爆発しろ!!」とかなんとか言っても意味がありません。「うちの会社も労働基準法をきちんと守れ!!労働基準監督署と弁護士を呼ぶぞブラック企業め!!」と叫ぶのが正解ではないかと思われます。なんにせよ、労働基準法違反を続けても平気な顔でいるブラック企業は直ちに滅ぼされるべきであると考えます。

参考サイト

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