ブラック企業を駆逐するためにも、労働基準法とその罰則を厳格化し、労働基準監督署の権力と人員を大強化すべきである。早急に。
投稿日:2017年01月22日
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もくじ
- 取り締まる人間が足りなければブラック企業が臨検を逃れてしまう。罰則による不利益が違法行為で得られる利益を下回るようでは違法行為は止められない。
- 労働基準法とその罰則の厳格化。労働基準監督署の権力と人員の大強化。どんな手を使ってもブラック企業を駆逐せよ。労働者を守るために。
取り締まる人間が足りなければブラック企業が臨検を逃れてしまう。罰則による不利益が違法行為で得られる利益を下回るようでは違法行為は止められない。
火事があった時に消防署に通報するように、労働基準法その他労働法規に反している働かせ方をする会社があったら、労働基準監督署に通報します。労働基準監督官は特別司法警察員なので、その気になれば労基法違反の使用者(企業)を逮捕することだって出来ます。しかし、日本では労働者1万人あたりの労働基準監督官の人数が諸外国よりも少ないため、労基法違反の会社を全部取り締まるには人員が不足しているようです。
いくら何でも存在しない人間に取り締まり作業をさせることは出来ません。労働基準監督官の人数が少ないままでは、一部の企業は臨検を逃れ、残業代をちょろまかしてもお咎めなしになってしまいます。取り締まり体制がきちんと整備されなければ、ブラック企業が査察から逃げ切ってしまいます。
また、取り締まり体制がきちんと整備されたとしても、労基法違反の罰則が軽く、労基法違反によって得られる利益を相殺し切れないようなものでは、「法律違反したほうがトータルでは得だ」となってしまい、労働者の権利が無視される状態が続いてしまいます。罰則による不利益を(少なくとも法律違反で得られる利益を全部相殺出来るレベルまで)大きくしなければ、抑止力になりません。
労働基準法とその罰則の厳格化。労働基準監督署の権力と人員の大強化。どんな手を使ってもブラック企業を駆逐せよ。労働者を守るために。
ブラック企業を駆逐して労働者とまともな企業を守るためには、労働基準法とその罰則の厳格化と労働基準監督署の権力と人員の大強化が必要不可欠です。それも時間をかけず、可及的速やかに行わねばなりません。
ブラック企業の査察逃れ、労基法違反事案の隠蔽を防ぐためには、ブラック企業の被害にあったときの対処法(通報の仕方など)を国民全体に周知するとともに、労働基準監督署の権力と人員を大強化し、ブラック企業を一つ残らず調べ上げて処罰し労働者を守れる体制を整備する必要があります。未払いの残業代を強制的に支払わせる権限くらいは追加付与したって問題ないでしょう。
労働基準法の厳格化も必要です。労働者を守るためには、
- 勤務間インターバル制度の導入
- 1分単位で労働時間の記録を取り、それを最低でも10年間保存することを全ての使用者に義務付け
- 未払い賃金(残業代含む)の時効を撤廃(最低でも10年に延長)
- 求人時に嘘の情報を公開することの禁止
- 労働基準監督官によるおとり捜査の認可
- 「オフラインになる権利」(勤務時間外に会社からの連絡を受けない権利)の確保
そして、労基法違反の罰則は電通クラスの大企業に対しても抑止力としての効果を十分期待できるレベルにします。例えば、
- 残業代ちょろまかし…(過去にちょろまかした残業代全額+延滞利息(年利15~20%・複利計算))を労働者に一括払い+同額を罰金として国家に納付or懲役刑
- 勤務間インターバル規制違反…労働者に(通常の賃金の10倍×違法に労働させた時間)を一括払い+同額を罰金として国家に納付or懲役刑
- 求人時に嘘の情報を公開した…企業規模に応じて罰金or懲役刑
- オフラインになる権利の侵害…労働者に(24時間分の賃金×オフラインになる権利を侵害した回数)を一括払い+同額を罰金として国家に納付or懲役刑
行政処分についても同様に強化し、抑止力としての刑事罰と違法状態を是正するための行政処分の両輪でブラック企業を駆逐するのです。使用できるありとあらゆる手段を用いてブラック企業を市場から放逐し、労働者とまともな企業がブラック企業に潰されない社会を構築しなければ、ろくでもない将来が待っているのは火を見るより明らかです。
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