日本でも「善きサマリア人の法」を明文化して制定すべきではないか?
投稿日:2016年01月26日
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善きサマリア人の法を明文化して制定すればもっと多くの人の命を救える
- 日本では「善きサマリア人の法」が明文化されていないので、通りすがりの人が急病人を救助した時に、免責が認められない可能性が残る。すなわち救助した結果が自らの生活の破滅となる可能性を排除できない。これでは救助に二の足を踏む人が出るのも当たり前である。
- 通りすがりの一般人もそうだし、通りすがりの医師の場合は免責がされないと救助した結果が「医師免許の剥奪・収入源の喪失(=生活の破綻)・一家離散」となる可能性も否定出来ない。半数以上の医師が航空機内のドクターコールを無視するという調査結果も当然だろう。
- 免責されないことを恐れた結果、急病人がそのまま命を落とすという事態が起きてからでは遅い。救命行為の免責を全面に打ち出した「善きサマリア人の法」を明文化して制定する必要があるだろう。
免責される保証がないと人命救助もままならない
半数以上の医師が航空機内のドクターコールを無視 リスク高すぎる? – ライブドアニュース 航空機内で急病人が発生した時に、医師などの協力を求める「ドクターコール」。しかし、調査結果によると、ドクターコールに応じる医師の割合は半数以下だったとのこと。無責任だと思う人もいるかもしれません。
しかし、日本の現在の法律ではそうならざるをえない側面もあります。なにせ救助を申し出ても、問題があった時に免責される保証がありませんから。自身が責任を取らされるとなれば、リスク回避に走らざるを得ません。医師だって自分の生活がかかっています。医師免許を剥奪されたり重い賠償責任や刑事責任を負わされたりでもしたら生活は破綻必至です。免責保証がなければ、救助しようにも救助できません。
また、一般人が道端で倒れている人に遭遇した場合にも同じことがいえます。このような場合は、遭遇した一般人が一次救命処置(心肺蘇生法など)を行うことが期待されますが、こちらについても、救助した人が免責されることを明文化していれば、救助活動に参加しやすくなり、結果としてより多くの命を救うことが可能になります。
善きサマリア人の法制定で救える命がある
救助活動の免責がないばかりに、人々が救助活動への参加を躊躇し、救える命を救えない。これはとても悲しいことです。このような悲劇を防ぐためには、日本でも「善きサマリア人の法」の制定が必要です。善きサマリア人の法が制定されていれば、救助活動の免責が確定しますから、後先の責任問題を考えずに救助活動を行うことができます。これにより、例えば道端で倒れている人に遭遇した時にも、適切な救助活動が行われることを期待でき、多くの命が救われるでしょう。
人間誰だって生きている限りは何らかのリスクを背負っています。そして、救助活動によってリスクが著しく増大するとなれば、救助活動を行わないことが人の道に反しているとしても、自分の生活を優先せざるを得ず、救助活動は行われなくなってしまいます。このような悲劇を防ぐためにも、善きサマリア人の法は早期に制定されるべきです。