「残業させ放題」システムは破壊せねばならない。残業代をキチンと支払っていても問題だし、ごまかしている場合は尚更だ。

労働基準法では、1週間あたりの労働時間を「40時間まで」と定めています。本来ならば、残業させることそのものが「犯罪」です。いかにサブロク協定を締結していても長時間残業は問題ですし、残業代をきちんと支払っていないと言うならば問答無用で粛清されるべき事案です。

もくじ

  • 勤務間インターバル規制もなければ、サブロク協定で定めることが出来る残業時間の上限もゆるゆる。これでは長時間労働がのさばるのも無理はない。
  • 労働者が会社と戦おうにも限界がある。法律と取り締まりシステムによって労基法違反を殲滅し、労働者を守らねばならない。

勤務間インターバル規制もなければ、サブロク協定で定めることが出来る残業時間の上限もゆるゆる。これでは長時間労働がのさばるのも無理はない。

日本では未だに勤務間インターバル規制(勤務終了時から次の勤務開始までに最低限空けなければならない間隔を規定する)が法制化されていません。また、本来は労基法違反(=刑事罰もありうる)である「労働者に残業させる行為」について、犯罪を合法化する恐ろしい魔法「サブロク協定」がありますが、こちらについても残業時間の上限はゆるゆるであり、また形骸化しています。

H27.02・時間外労働の限度に関する基準 – 厚生労働省(PDF資料)によれば、一般の労働者の場合は1ヶ月の残業時間上限は45時間(1年のそれは360時間)です。しかしここにも抜け道はしっかり用意されています。それが「特別条項付き協定」です。もちろん満たすべき条件が厳しくなりますが、そのかわりに残業時間の上限をさらに拡大できてしまうのです。

残業100時間の「過労死ライン企業」が11% 「死者が残業代欲しがるか?」にもあるように、厚生労働省の調査では「過労死ライン」とされる月80時間以上の残業をさせる企業が全体の2割も存在したといいます。しかしサブロク協定の「特別条項付き協定」なしでは、月80時間もの残業を合法的に行わせることはできません。実際に、過労死等に関する実態把握のための社会面の調査研究事業報告書(PDF)にもあるように、半分近くの企業がサブロク協定の「特別条項付き協定」を発動しています。

これらのことから、日本では労働時間の上限の規制はあまりにも緩いとしか言いようがありません。勤務間インターバル規制が導入されれば残業時間も自動的に制限されますが、労働基準法違反がここまで横行している現状を考えれば、勤務間インターバル規制も労働基準法が記された紙の上にあるインクの染みにしかならない恐れもあります(そうならないようにするために労働基準監督署の戦力を大増強しなければならないのですが)。

労働者が会社と戦おうにも限界がある。法律と取り締まりシステムによって労基法違反を殲滅し、労働者を守らねばならない。

労働者が一人で会社と戦えと言っても、労働者が一人で使用者と戦って勝つことはなかなか難しいでしょう。なので労働者は使用者と交渉するために労働組合を組織します。いざとなれば一定の条件でストライキも出来るのですが、近年では労働組合VS会社のガチバトルは少なくなっているようです。組合が頼りにならなければ個人で戦うか、会社が労基法違反をしている場合は労働基準監督署や弁護士などの力を借りるという手もありますが、いずれにせよ個人でできることには限りがあります。労働者が自らの手で権利を守ろうにも、限界があるのです。

かくなる上は、法律で労働者が人間らしい生活を送れる労働条件をきちんと法律で定め、法を破る会社をもれなく殲滅する強力な取り締まりシステムによって労働者を守らねばなりません。会社という箱だけあっても、そこで働く人がいなければ、会社を維持することは出来ません。労働者の生活を守らなければ、会社からも個人からも税金を取れなくなり、国が成り立たなくなってしまいます。労働者を、国民を守ることは国家の仕事です。

現在のような「残業させ放題」システムについては、問答無用で粉砕しなければなりません。これまでの悪しき慣習と合わせて焼却炉で灰になるまで燃やし尽くし、二度と復活しないように破壊してから放射性廃棄物みたく地層処分してしまうべきです。できれば地層処分する費用もケチりたいところですが、復活されたら困るので致し方ありません。悪しき慣習もブラック企業も今この時に処分し、未来の人たちには労働問題が解決された素晴らしい世界を引き渡すべきなのです。

参考リンク

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