労働時間の上限は週40時間と定められているし、有給休暇だって与えなければならない日数が定められている。会社側は労働者が定時に帰宅し、有給休暇も100%消化する前提で人員を配置するべきだ。
投稿日:2016年09月07日
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労働基準法は「最低の労働条件」を定めた法律である。どのような職場であれ労働基準法違反な条件で人を働かせてはいけない。定時帰宅も有休全消化も出来るような人員配置を行って、はじめて労働基準法をクリアーしたことになるのではなかろうか。
- 週40時間労働は労働基準法での規定だから、週40時間を超えて労働者を労働させたらそれだけで労働基準法違反になる。サブロク協定を締結しても、ルールを無視していることには変わりない。有給休暇だって労働基準法で与えなければならない日数が定められているのだから、労働者が有休を取得するときに文句を言ってはいけないだろう。
- 会社は労働者が定時に帰れて週2日以上の休みを確保でき、有休も100%消化できる環境を構築しなければならない。残業は労働基準法では原則禁止とされている。サブロク協定はあくまでも「例外」に属するもので、日常的に残業をさせるようなことは避けるべきであろう。すべての使用者には、労働者がきちんと定時に帰れて有給休暇も100%気兼ねなく使い切れるような人員配置を行う義務があるのではなかろうか。
有給休暇を全消化できないほど余裕のない人員配置を行っている会社は、労働基準法をクリアーしているとは言えないのではないか?
会社がコストの削減を目指すとき、人件費をターゲットにすることがあります。厳選採用に走ったり、リストラを断行したり、法律違反上等なところなら労働時間の記録を改ざんして残業代をケチるところもあるかもしれません。とにかく余計な人員を抱えたくない一心で正社員の人数を抑え、比較的クビを切りやすいとされる契約社員や派遣社員などを多く雇う会社もあるでしょう。
しかし、人件費の削減にばかり意識を集中している会社は、労働環境が悪化している可能性があります。人員に余裕が無いことを理由に産休育休の取得を渋ったり、そもそも産休育休を取得する人が出ないようにマタハラを行うところも無いとは言い切れません。産休育休どころか、たった1回の有給休暇取得さえ嫌う恐ろしい会社もあります(「有休を1回使うごとに君は信用を失っている」 ブラックすぎる言葉に震撼!取得率アップには企業の意識改革が不可欠だ | キャリコネニュース)。
ただ、有給休暇の取得は法的に認められている労働者の当然の権利です(産休育休などもしかり)。権利はきちんと行使できてこそ意味があります。労働者が年間合計で何日の有給休暇を取得するかは予め分かっているのですから、有給休暇の存在を考慮し、人員にはそれなりの余裕を持たせなければならないはずです。有給休暇は給与明細に残日数を書くだけではダメです。きちんと取得できてはじめて意味があるものです。
労働時間についても同様です。サブロク協定があるとはいえ、これはあくまでも「例外」に属するものであり、原則は週40時間労働です。突発的な仕事が入ってきた時など、緊急時に残業をさせるのはやむを得ないかもしれませんが、まさか年がら年中緊急事態が継続する職場というものはないでしょう。平時から残業前提でシフトや採用計画を組むのはいただけません。労働者が定時に帰宅できるように人員を配置するべきです。有給休暇を取得できなかったり、労働者が平時にも定時帰宅できないような人員配置をしている会社は、労働基準法をクリアーしているとは言えないと考えます。
長時間労働は健康に悪いし、休日は健康な生活をするために必要不可欠。会社は労働者の定時帰宅・有休全消化が出来るような体制を構築すべき。
長時間労働問題が叫ばれて久しいですが、やはり働き過ぎは体に悪いです。ガンガン仕事をして病気になったら本人も周囲の人も大変ですし、国家財政としても大変です(病院代の一部を国庫から出すわけですから)。労働時間を程々に抑え、健康に働き続けられるようにしたほうが良いはずです。
仕事一辺倒な働き方が支配的な時代もありましたが(現在も仕事一辺倒な働き方の人がいるかもしれませんが)、健康に仕事を続けるためには、きちんとした休みが必要です。休日に好きなことをしたり体を休めたりして、仕事をするためのエネルギーを蓄えるのです。きちんと休むことで、きちんとした仕事ができるようになります。労働者を使い捨てにしようとしても、代わりの人はいくらでも湧いてくるわけではありません。労働者が健康に働き続けられるようにするためにも、すべての使用者は労働者が堂々と定時帰宅でき、誰はばかることなく有給休暇を100%消化できるような体制を構築すべきです。