PTAは任意加入の団体だった!?PTAに入会しない選択肢もあるし、強制加入は法律違反か。「PTA≠学校」。活動のスリム化も必要。

PTAはしばしば強制加入の団体であると誤解されますが、実は任意加入の団体です。やりたい人だけ加入してやればいいってことになります。

PTAへの加入を強制する法的根拠はない。だったらなぜ強制加入になるのか?

  • PTAの活動に今ひとつ人が集まらないのは、負担が重いのと、強制加入になっている(やると言っていないのにやらされる)から。義務じゃないものを義務としてやらされたら、やる気が湧くはずがない。これは部活などの問題にも言えるが。
  • PTAは任意加入の団体だから、きちんと入会同意書を取らないと会員にすることはできないはず。入会しない人がいるのが当たり前。退会も各自の自由。
  • 強制加入を続けた結果、熊本のPTAでは訴訟が起きた。もはやこれまでの形態のPTAを維持することは不可能である。PTAの入退会を完全に自由化した上で、活動を大幅にスリム化しなければならないのではないか。

ある人を何かの団体に強制加入させるなら、それには法的根拠が必要だ。

ある人を何かの団体に強制加入させようとするのならば、それを可能にする法的根拠がなければなりません。例えば小中学校の場合は、

すべて国民は、法律の定めるところにより、その保護する子女に普通教育を受けさせる義務を負ふ。義務教育は、これを無償とする。 ― 日本国憲法 第26条 第2項
憲法の規定により、保護者は子供を学校に通わせることになります(不登校など、子供本人の意志で欠席することを選択した場合は、特に罰則はないです)。義務教育は、憲法に規定があります。しかし、PTAが強制加入団体である規定はどこにも見当たりません。法的根拠がない限り、ある人を何らかの団体に強制的に加入させることはできないはずです。

法的根拠がないのにある人を何らかの団体に強制加入させることができるとしたら、それこそ自由権の侵害・結社しない自由の侵害になってしまいます。法的根拠がない限り、ある人を何らかの団体に強制加入させることはできません。本人の自由な意志に基づき、本人の同意を得た上で、加入して頂く必要があるのです。

PTAが任意加入の団体であることは、もっとみんなが知る必要がある。任意加入である前提で、個人の自由で入る入らないを決めるのが本来のあり方。

熊本でPTA訴訟が起こったのも、PTAがこれまで(法的根拠がないにもかかわらず)強制加入団体として振舞ってきたからだと思います。日本のPTAは、もはや持続不可能な活動スタイルを今なお無理やり続けているところもあるかもしれませんが、PTAはそもそもが任意加入の団体であり、有志連合として活動するはずなのです。強制加入を続けてきたから、PTAの様々な問題が、未解決のまま残ってしまっているのです。

現代は家庭の形も多様化し、様々な事情を抱えた保護者と子供がいます。日本の学校では何かにつけて「公平」さが重視されますが、現在の状況では、もはや何が「公平」なのかを定義することはできないでしょう。強制加入では、やらされている感が凄まじいことになり、その結果、「公平」であることを過剰なまでに追求することになります。その果てが、現在の問題だらけのPTAなのです。

PTA問題は根が深いですが、まずは完全に任意加入にする(本来のあり方に立ち返る)・入退会を完全に自由化する事が必要になります。子供が入学時に自動加入させるのではなく、きちんと入会同意書を提出していただくようにしなければなりません(入会しない自由も当然認める必要があります)。人が集まらない場合は、PTA解散も検討すべきでしょう。そして、PTAが今後も持続可能な組織として活動を続けるためには、出来る限り参加する負担を最小化する必要があると思います。現在のPTA活動には、聖域なき改革が求められているのではないでしょうか。

参考リンク

このブログを応援する・寄付する

当ブログでは暗号通貨による寄付を募っております。

モナゲボタン モナゲボタン

Bitcoin:

Monacoin:

Litecoin:

この記事のトラックバック用URL

コメント

  1. 菅 雄祐 Yahoo!ニューススタッフ  | 07/16 23:31
    突然ご連絡いたします失礼をお許しください。 私、インターネットのYahoo!ニュース特集(http://news.yahoo.co.jp/feature)を作成しております、オルタスジャパンという会社の菅 雄祐(すが ゆうすけ)ともうします。 現在、PTAが任意加入であるにもかかわらず、そのことが周知されていないこと、不合理でしかない活動が多く、負担に感じる保護者の方が増えていることを取り上げた、動画と記事の配信を考えております。 そのなかで、近年、現行のPTAのあり方に疑問を感じブログやツイッターを通じて情報発信をする人が増加している例として、2016年2月8日のブログの 「PTAへの加入を強制する法的根拠はない。」の一文を動画の中で使わせていただけないかと思いましてご連絡いたしました。 突然のご連絡、大変失礼いたしました。ご検討、どうぞよろしくお願いいたします。 ☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆ > 株式会社オルタスジャパン > http://www.ortus-japan.co.jp/ > 東京都港区赤坂2-13-19多聞堂ビル4階 > (03)3587-78 15 > > 菅雄祐 SUGA YUSUKE > ☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
  2. koguma  | 07/17 0:47
    ブログ管理人のコグマです。コメントの件、了解いたしました。当ブログの文章でよろしければ、是非ともご活用ください。
  3. 菅雄祐 Yahoo!ニューススタッフ  | 07/28 12:01
    お世話になっております。私、Yahoo!ニュースを作成しておりますオルタスジャパンの菅です。 先日は番組作成にご協力いただきありがとうございました。 本日11時30分より公開を開始いたしました。下記URLでご覧いただけます。http://news.yahoo.co.jp/feature/269 ご連絡が遅くなってしまい大変申し訳ございませんでした。感想など教えていただければ幸いです。 今回は本当にありがとうございました。 菅
  4. 昨日の2月2日にこのブログを多分【任意団体】との言葉の検索で知りました。 敗訴した熊本地裁の判決の理由で書かれたことですが、裁判官がその事実をどこまで調査したのか疑問です。判決の理由に私の意見を書かせてください。 被告が示した友愛セール参加の証拠はでたらめであることが判明しました。同時間に私が仕事をしていた証拠アリバイがあったにです。 本人尋問の時に嘘をつかないとの宣誓を行ったにもかかわらず被告弁護士の質問にだけ答えてとのことを認め岡本に真実の回答をさせなかった裁判所は宣誓の虚偽の罪を岡本に犯させた。 判決文の1部です。 エ 原告は,平成23年2月7日に行われた防犯パトロールに参加した.防犯パトロールに際し着用する腕章には「子ども安全パトロール帯山西小学  校PTA」と記載されているものがある(乙3,9)。PTAの腕章(写真には撮影日がない・納品書も)証拠としては疑問である。岡本は防犯パトロールは行っていない。(行く時の署名と帰りにコースを係職員から適当に書いてと言われ適当に書いたのみで、体調不良のため実際のパトロールは行わず、家に帰り休養していた。タスキはポケットに入れて腕に付けたことはない!防犯パトロールをした証拠は不十分である)会員と気が付き退会を申し出たら会則により帯山西小学校の決まりでは退会はできないと書面と電話で告げられました。 また書面と電話でPTA会費の督促請求を4回以上受けました。これは強要でありこのときに訴訟すれば勝訴したかもしれません。裁判での勝ち負けはタイミングの問題も大いに関係あると反省しています。裁判判決の事例として慣例を壊すことを裁判官は恐れているような傾向があることに気が付きました。正義があっても力に負ける傾向を感じます。熊本地裁の西前ゆう子裁判官の判決もそのようなものだったようです。総理大臣が最高裁裁判官を任命することも大きな問題である。この裁判は結局は自由と人権の問題の裁判であると思いました。高裁は判決文を書きたくないから和解を勧めているのだど思っています。 結社の自由の理由で争えばと後悔しています。以上。