大災害の時の避難所など、多くの人が1箇所に集結するときに発生する最大の問題は「トイレ問題」だと思う。
投稿日:2016年04月26日
最終更新日:
トイレ問題を考える
- 災害時のトイレ問題
- 大規模イベント・帰省ラッシュ等におけるトイレ問題
- 個人でできそうなトイレ問題対策
- 組織に期待したいトイレ問題対策
災害時のトイレ問題
ひとたび災害が発生すると、生活環境は確実に激変します。災害発生時にトイレ事情に影響を与える現象として、以下のことが考えられます。
- 家屋の倒壊
- ↑に伴い、大人数が避難所に集結する
- 上水道の機能喪失(断水)
- 下水道の機能喪失
断水が発生すれば、トイレの後に手を洗うこともままなりませんし、水洗トイレを使った後に流すこともできません。下水道が破損して地域一帯に「水洗トイレを使わないで下さい」というお達しが出る可能性もあります。また、避難所に大人数が集結すれば、トイレを使う人も増えます。断水等で使用可能なトイレ数(トイレの供給)が減少しているところにトイレ使用人数(トイレ需要)の増加が来るわけですから、避難所においてトイレ問題が大変深刻な事態になることは想像に難くありません。
このような事態に対処するためには、
- トイレ数の確保
- 水に頼らずにトイレを使う工夫
大規模イベント・帰省ラッシュ等におけるトイレ問題
別に大災害が起きなくとも、この日本においてトイレ問題は定期的に発生しています。「大規模イベント」と「帰省ラッシュ」です。大規模イベント(例:ニコニコ超会議、コミケ、東京マラソン、花火大会など)では大人数が1箇所に集結しますから、トイレ需要の増加によってトイレ問題が発生します。また、帰省ラッシュなどでも高速道路のサービスエリア(パーキングエリア)のトイレに多くの人が並んでいる光景が見られます。
この場合には、
- トイレ数の確保
- 帰省ラッシュ自体の緩和
個人でできそうなトイレ問題対策
さて、トイレ問題の対策として有効な「トイレ数の増設」をしようと言っても、事はそう簡単には運びません。例えば高速道路のサービスエリアなどでも、帰省ラッシュなどの需要ピークに合わせて大量のトイレを常設しようとすれば、使用する土地面積も大きくなりますし、トイレの維持費も大変なことになります。そこで必要なときだけ機動的にトイレ供給を確保しようとして仮設トイレが出てくるわけですが、個人レベルでもトイレ対策ができないわけではありません。
- ポータブルトイレを車に備え付ける(帰省ラッシュ対策)
- 災害対策にバイオトイレを用意する(災害対策)
- 携帯トイレを用意する(災害・帰省ラッシュ・その他対策)
- ウェットティッシュ・トイレットペーパーの備蓄(後始末も忘れずに)
ポータブルトイレ・バイオトイレ・携帯トイレはいずれも「自分用のトイレを確保しよう!」という方向のアプローチになります。バイオトイレは水なしでも使えるので、災害対策に備蓄するものの一つとして組み込むのも悪く無いと思います(バイオトイレの例 マイバイオトイレ || 正和電工株式会社)。携帯トイレは災害対策・帰省ラッシュ対策・登山用と幅広く使えるアイテムです。Amazonあたりで適当に探せばなにか出てくると思うので、自分に合ったものをポチればいいと思います。また、手やおしりを拭くためのウェットティッシュ・トイレットペーパーの備えも忘れないようにしましょう。
組織に期待したいトイレ問題対策
組織に対しては、
- バイオトイレの設置(災害対策)
- 仮設トイレの用意(災害・ピーク需要対策)
- 携帯トイレの配布(災害・ピーク需要対策)
- 携帯トイレの啓蒙活動(災害・ピーク需要対策)
- いわゆる災害弱者向けのトイレ対策
組織においては、個人レベルでは対策不可能な部分を補完し、誰もがきちんとトイレを使えるように対策を施すことが望まれます。災害対策というとどうしても食料備蓄や寝る場所の確保、耐震対策などが注目されがちですが、「トイレ」もまた災害対策では重要な要素になります。この記事が、普段お世話になっている「トイレ」について考える切っ掛けになれば幸いです。