「hosts」ファイルの役割と注意点
投稿日:2017年02月16日
最終更新日:
もくじ
- 「hosts」ファイルとは何か…DNS普及以前はDNSのような役割をしていたファイル
- 「hosts」ファイルはどこにある?
- 「hosts」ファイルの使い方・注意点
「hosts」ファイルとは何か…DNS普及以前はDNSのような役割をしていたファイル
現在、IPアドレスとドメイン名(ホスト名)の相互変換(名前解決)はDomain Name System(DNS)によって行われています。しかし、DNSが作られ普及する前は、IPアドレスとドメイン名(ホスト名)の対応表をネットワークに繋がるコンピューターがそれぞれ所持していました。その対応表が記されたファイルこそ、この記事で解説する「hosts」ファイルです。
「hosts」ファイルには、以下のような書式でIPアドレスとドメイン名(ホスト名)の対応が書かれています。
[VIM] #This line is written comment. 127.0.0.1 localhost ::1 localhost 203.0.113.1 example.com 203.0.113.2 www.example.net hoge.example.net [/VIM]このように、1行につき1つのIPアドレスと1つ以上のドメイン名(ホスト名)を書きます。IPアドレスとドメイン名(ホスト名)、ドメイン名(ホスト名)同士の区切りには半角スペースを使います。先頭が「#」で始まっている行はコメントであり、設定には反映されません。なお、WindowsXP以降はドメイン名(ホスト名を)1行につき8個までしか書けず、9個以上設定する場合は複数行で記述しなければなりません。hostsにそんなにたくさん書くことはそうそうないと思いますが、念のため。
かつては全てのWEBサイトのIPアドレスとドメイン名をhostsファイルに保存していた時代もあったようですが、DNSが普及した現在、hostsファイルを意識することは(少なくとも一般的なユーザーは)ほぼないといえるでしょう。
「hosts」ファイルはどこにある?
「hosts」ファイルの格納場所はOSによって異なります。
- Windows(NT系)…基本的にはC:\Windows\System32\drivers\etc\hosts
- Linux/UNIX…/etc/hosts
「hosts」はテキストファイルなので、任意のテキストエディタで閲覧・編集することが出来ます。
「hosts」ファイルの使い方・注意点
現在、「hosts」ファイルの仕事はDNSではカバーできない部分のみという限定的なものとなっています。具体的には以下のような場合が考えられます。
- 家庭内ネットワークでサーバー(VMwareなどを用いた仮想サーバーを含む)を運用して(DNSを使わずに)テスト用ドメイン名などでアクセスしたい。
- DNSが壊れたけどIPアドレスが分かっているWEBサイトにアクセスしたい。
- WEBサイト(サーバー)のIPアドレス変更がまだDNSに反映されていないが、とにかくWEBサイトにアクセスしたい。
また、悪意ある第三者にhostsを改ざんされると、ニセのWEBサイトに誘導され、そこで色々とマズイことが発生する恐れもあります。そのような事態を回避するためにも、できれば時々「hosts」ファイルを開き、不自然な記述がないかどうか確認するべきです。hostsファイルの改ざんの確認と修復方法 – ぼくんちのTV 別館でも解説されていますが、「127.0.0.1 localhost」と「::1 localhost」以外に自分が指定した覚えがないIPアドレスとドメイン名(ホスト名)があったら要注意です。
「hosts」ファイルへの書き込みをセキュリティ対策ソフトがブロックする場合もあります。
参考リンク